○民事訴訟規則
(平成八年十二月十七日)
(最高裁判所規則第五号)
民事訴訟規則を次のように定める。
民事訴訟規則
目次
第一編 総則
第一章 通則(第一条―第五条)
第二章 裁判所
第一節 管轄(第六条―第九条)
第二節 裁判所職員の除斥、忌避及び回避(第十条―第十三条)
第三章 当事者
第一節 当事者能力及び訴訟能力(第十四条―第十八条)
第二節 共同訴訟(第十九条)
第三節 訴訟参加(第二十条―第二十二条)
第四節 訴訟代理人(第二十三条・第二十三条の二)
第四章 訴訟費用
第一節 訴訟費用の負担(第二十四条―第二十八条)
第二節 訴訟費用の担保(第二十九条)
第三節 訴訟上の救助(第三十条)
第五章 訴訟手続
第一節 訴訟の審理等(第三十条の二―第三十四条)
第二節 専門委員等
第一款 専門委員(第三十四条の二―第三十四条の十)
第二款 知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥、忌避及び回避(第三十四条の十一)
第三節 期日及び期間(第三十五条―第三十八条)
第四節 送達等(第三十九条―第四十七条)
第五節 裁判(第四十八条―第五十条の二)
第六節 訴訟手続の中断(第五十一条・第五十二条)
第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等(第五十二条の二―第五十二条の八)
第七章 当事者に対する住所、氏名等の秘匿(第五十二条の九―第五十二条の十三)
第二編 第一審の訴訟手続
第一章 訴え(第五十三条―第五十九条)
第二章 口頭弁論及びその準備
第一節 口頭弁論(第六十条―第七十八条)
第二節 準備書面等(第七十九条―第八十五条)
第三節 争点及び証拠の整理手続
第一款 準備的口頭弁論(第八十六条・第八十七条)
第二款 弁論準備手続(第八十八条―第九十条)
第三款 書面による準備手続(第九十一条―第九十四条)
第四節 進行協議期日(第九十五条―第九十八条)
第三章 証拠
第一節 総則(第九十九条―第百五条の二)
第二節 証人尋問(第百六条―第百二十五条)
第三節 当事者尋問(第百二十六条―第百二十八条)
第四節 鑑定(第百二十九条―第百三十六条)
第五節 書証(第百三十七条―第百四十九条)
第六節 検証(第百五十条・第百五十一条)
第七節 証拠保全(第百五十二条―第百五十四条)
第四章 判決(第百五十五条―第百六十一条)
第五章 裁判によらない訴訟の完結(第百六十二条―第百六十四条)
第六章 削除
第七章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則(第百六十八条―第百七十二条)
第三編 上訴
第一章 控訴(第百七十三条―第百八十五条)
第二章 上告(第百八十六条―第二百四条)
第三章 抗告(第二百五条―第二百十条)
第四編 再審(第二百十一条・第二百十二条)
第五編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則(第二百十三条―第二百二十一条)
第六編 少額訴訟に関する特則(第二百二十二条―第二百三十一条)
第七編 督促手続(第二百三十二条―第二百三十七条)
第八編 執行停止(第二百三十八条)
第九編 雑則(第二百三十九条)
附則
第一編 総則
第一章 通則
(申立て等の方式)
第一条 申立てその他の申述は、特別の定めがある場合を除き、書面又は口頭ですることができる。
2 口頭で申述をするには、裁判所書記官の面前で陳述をしなければならない。この場合においては、裁判所書記官は、調書を作成し、記名押印しなければならない。
(当事者が裁判所に提出すべき書面の記載事項)
第二条 訴状、準備書面その他の当事者又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者又は代理人が記名押印するものとする。
一 当事者の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
二 事件の表示
三 附属書類の表示
四 年月日
五 裁判所の表示
2 前項の規定にかかわらず、当事者又は代理人からその住所を記載した同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する同項の書面については、これを記載することを要しない。
(裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出)
第三条 裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
一 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定により手数料を納付しなければならない申立てに係る書面
二 秘匿事項届出書面
三 その提出により訴訟手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(第一号に該当する書面を除く。)
四 法定代理権、訴訟行為をするのに必要な授権又は訴訟代理人の権限を証明する書面その他の訴訟手続上重要な事項を証明する書面
五 上告理由書、上告受理申立て理由書その他これらに準ずる理由書
2 ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面が裁判所に提出されたものとみなす。
3 裁判所は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した書面を提出させることができる。
(令四最裁規一七・一部改正)
(裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供等)
第三条の二 裁判所は、判決書の作成に用いる場合その他必要があると認める場合において、書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者が当該書面に記載した情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を有しているときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
2 裁判所は、書面を送付しようとするときその他必要があると認めるときは、当該書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者に対し、その写しを提出することを求めることができる。
(平一五最裁規一九・追加、平二七最裁規六・一部改正)
(催告及び通知)
第四条 民事訴訟に関する手続における催告及び通知は、相当と認める方法によることができる。
2 裁判所書記官は、催告又は通知をしたときは、その旨及び催告又は通知の方法を訴訟記録上明らかにしなければならない。
3 催告は、これを受けるべき者の所在が明らかでないとき、又はその者が外国に在るときは、催告すべき事項を公告してすれば足りる。この場合には、その公告は、催告すべき事項を記載した書面を裁判所の掲示場その他裁判所内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。
4 前項の規定による催告は、公告をした日から一週間を経過した時にその効力を生ずる。
5 この規則の規定による通知(第四十六条(公示送達の方法)第二項の規定による通知を除く。)は、これを受けるべき者の所在が明らかでないとき、又はその者が外国に在るときは、することを要しない。この場合においては、裁判所書記官は、その事由を訴訟記録上明らかにしなければならない。
6 当事者その他の関係人に対する通知は、裁判所書記官にさせることができる。
(訴訟書類の記載の仕方)
第五条 訴訟書類は、簡潔な文章で整然かつ明瞭りように記載しなければならない。
第二章 裁判所
第一節 管轄
(普通裁判籍所在地の指定・法第四条)
第六条 民事訴訟法(平成八年法律第百九号。以下「法」という。)第四条(普通裁判籍による管轄)第三項の最高裁判所規則で定める地は、東京都千代田区とする。
(管轄裁判所が定まらない場合の裁判籍所在地の指定・法第十条の二)
第六条の二 法第十条の二(管轄裁判所の特例)の最高裁判所規則で定める地は、東京都千代田区とする。
(平二三最裁規三・追加)
(移送の申立ての方式・法第十六条等)
第七条 移送の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2 前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。
(裁量移送における取扱い・法第十七条等)
第八条 法第十七条(遅滞を避ける等のための移送)、第十八条(簡易裁判所の裁量移送)又は第二十条の二(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)の申立てがあったときは、裁判所は、相手方の意見を聴いて決定をするものとする。
2 裁判所は、職権により法第十七条、第十八条又は第二十条の二の規定による移送の決定をするときは、当事者の意見を聴くことができる。
(平一五最裁規一九・一部改正)
(移送による記録の送付・法第二十二条)
第九条 移送の裁判が確定したときは、移送の裁判をした裁判所の裁判所書記官は、移送を受けた裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第二節 裁判所職員の除斥、忌避及び回避
(除斥又は忌避の申立ての方式等・法第二十三条等)
第十条 裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
2 前項の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
3 除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない。法第二十四条(裁判官の忌避)第二項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
(除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第二十五条)
第十一条 裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
(裁判官の回避)
第十二条 裁判官は、法第二十三条(裁判官の除斥)第一項又は第二十四条(裁判官の忌避)第一項に規定する場合には、監督権を有する裁判所の許可を得て、回避することができる。
(裁判所書記官への準用等・法第二十七条)
第十三条 この節の規定は、裁判所書記官について準用する。この場合において、簡易裁判所の裁判所書記官の回避の許可は、その裁判所書記官の所属する裁判所の裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第三十七条(司法行政事務)に規定する裁判官がする。
第三章 当事者
第一節 当事者能力及び訴訟能力
(法人でない社団等の当事者能力の判断資料の提出・法第二十九条)
第十四条 裁判所は、法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものとして訴え、又は訴えられた当事者に対し、定款その他の当該当事者の当事者能力を判断するために必要な資料を提出させることができる。
(平二〇最裁規一〇・一部改正)
(法定代理権等の証明・法第三十四条)
第十五条 法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権は、書面で証明しなければならない。選定当事者の選定及び変更についても、同様とする。
(特別代理人の選任及び改任の裁判の告知・法第三十五条)
第十六条 特別代理人の選任及び改任の裁判は、特別代理人にも告知しなければならない。
(法定代理権の消滅等の届出・法第三十六条)
第十七条 法定代理権の消滅の通知をした者は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。選定当事者の選定の取消し及び変更の通知をした者についても、同様とする。
(法人の代表者等への準用・法第三十七条)
第十八条 この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
第二節 共同訴訟
(同時審判の申出の撤回等・法第四十一条)
第十九条 法第四十一条(同時審判の申出がある共同訴訟)第一項の申出は、控訴審の口頭弁論の終結の時までは、いつでも撤回することができる。
2 前項の申出及びその撤回は、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
第三節 訴訟参加
(補助参加の申出書の送達等・法第四十三条等)
第二十条 補助参加の申出書は、当事者双方に送達しなければならない。
2 前項に規定する送達は、補助参加の申出をした者から提出された副本によってする。
3 前項の規定は、法第四十七条(独立当事者参加)第一項及び第五十二条(共同訴訟参加)第一項の規定による参加の申出書の送達について準用する。
(訴訟引受けの申立ての方式・法第五十条等)
第二十一条 訴訟引受けの申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
(訴訟告知書の送達等・法第五十三条)
第二十二条 訴訟告知の書面は、訴訟告知を受けるべき者に送達しなければならない。
2 前項に規定する送達は、訴訟告知をした当事者から提出された副本によってする。
3 裁判所は、第一項の書面を相手方に送付しなければならない。
第四節 訴訟代理人
(訴訟代理権の証明等・法第五十四条等)
第二十三条 訴訟代理人の権限は、書面で証明しなければならない。
2 前項の書面が私文書であるときは、裁判所は、公証人その他の認証の権限を有する公務員の認証を受けるべきことを訴訟代理人に命ずることができる。
3 訴訟代理人の権限の消滅の通知をした者は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
(連絡担当訴訟代理人の選任等)
第二十三条の二 当事者の一方につき訴訟代理人が数人あるとき(共同訴訟人間で訴訟代理人を異にするときを含む。)は、訴訟代理人は、その中から、連絡を担当する訴訟代理人(以下この条において「連絡担当訴訟代理人」という。)を選任することができる。
2 連絡担当訴訟代理人は、これを選任した訴訟代理人のために、裁判所及び相手方との間の連絡、争点及び証拠の整理の準備、和解条項案の作成その他審理が円滑に行われるために必要な行為をすることができる。ただし、訴訟行為については、この限りでない。
3 連絡担当訴訟代理人を選任した訴訟代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出るとともに、相手方に通知しなければならない。
(平二七最裁規六・追加)
第四章 訴訟費用
第一節 訴訟費用の負担
(訴訟費用額の確定等を求める申立ての方式等・法第七十一条等)
第二十四条 法第七十一条(訴訟費用額の確定手続)第一項、第七十二条(和解の場合の費用額の確定手続)又は第七十三条(訴訟が裁判及び和解によらないで完結した場合等の取扱い)第一項の申立ては、書面でしなければならない。
2 前項の申立てにより訴訟費用又は和解の費用(以下この節において「訴訟費用等」という。)の負担の額を定める処分を求めるときは、当事者は、費用計算書及び費用額の疎明に必要な書面を裁判所書記官に提出するとともに、同項の書面及び費用計算書について第四十七条(書類の送付)第一項の直送をしなければならない。
(相手方への催告等・法第七十一条等)
第二十五条 裁判所書記官は、訴訟費用等の負担の額を定める処分をする前に、相手方に対し、費用計算書及び費用額の疎明に必要な書面並びに申立人の費用計算書の記載内容についての陳述を記載した書面を、一定の期間内に提出すべき旨を催告しなければならない。ただし、相手方のみが訴訟費用等を負担する場合において、記録上申立人の訴訟費用等についての負担の額が明らかなときは、この限りでない。
2 相手方が前項の期間内に費用計算書又は費用額の疎明に必要な書面を提出しないときは、裁判所書記官は、申立人の費用のみについて、訴訟費用等の負担の額を定める処分をすることができる。ただし、相手方が訴訟費用等の負担の額を定める処分を求める申立てをすることを妨げない。
(平一五最裁規二三・一部改正)
(費用額の確定処分の方式・法第七十一条等)
第二十六条 訴訟費用等の負担の額を定める処分は、これを記載した書面を作成し、その書面に処分をした裁判所書記官が記名押印してしなければならない。
(法第七十一条第二項の最高裁判所規則で定める場合)
第二十七条 法第七十一条(訴訟費用額の確定手続)第二項の最高裁判所規則で定める場合は、相手方が第二十五条(相手方への催告等)第一項の期間内に同項の費用計算書又は費用額の疎明に必要な書面を提出しない場合とする。
(費用額の確定処分の更正の申立ての方式・法第七十四条)
第二十八条 訴訟費用等の負担の額を定める処分の更正の申立ては、書面でしなければならない。
第二節 訴訟費用の担保
(法第七十六条の最高裁判所規則で定める担保提供の方法)
第二十九条 法第七十六条(担保提供の方法)の規定による担保は、裁判所の許可を得て、担保を立てるべきことを命じられた者が銀行、保険会社、株式会社商工組合中央金庫、農林中央金庫、全国を地区とする信用金庫連合会、信用金庫又は労働金庫(以下この条において「銀行等」という。)との間において次に掲げる要件を満たす支払保証委託契約を締結する方法によって立てることができる。
一 銀行等は、担保を立てるべきことを命じられた者のために、裁判所が定めた金額を限度として、担保に係る訴訟費用償還請求権についての債務名義又はその訴訟費用償還請求権の存在を確認するもので、確定判決と同一の効力を有するものに表示された額の金銭を担保権利者に支払うものであること。
二 担保取消しの決定が確定した時に契約の効力が消滅するものであること。
三 契約の変更又は解除をすることができないものであること。
四 担保権利者の申出があったときは、銀行等は、契約が締結されたことを証する文書を担保権利者に交付するものであること。
2 前項の規定は、法第八十一条(他の法令による担保への準用)、第二百五十九条(仮執行の宣言)第六項(法において準用する場合を含む。)、第三百七十六条(仮執行の宣言)第二項及び第四百五条(担保の提供)第二項(他の法令において準用する場合を含む。)並びに他の法令において準用する法第七十六条(担保提供の方法)の最高裁判所規則で定める担保提供の方法について準用する。この場合において、前項第一号中「訴訟費用償還請求権」とあるのは「請求権」と、「確認するもので、確定判決」とあるのは「確認する確定判決若しくはこれ」と読み替えるものとする。
(平一八最裁規二・平二〇最裁規八・一部改正)
第三節 訴訟上の救助
(救助の申立ての方式等・法第八十二条)
第三十条 訴訟上の救助の申立ては、書面でしなければならない。
2 訴訟上の救助の事由は、疎明しなければならない。
(平二七最裁規六・一部改正)
第五章 訴訟手続
第一節 訴訟の審理等
(映像と音声の送受信による通話の方法による口頭弁論の期日・法第八十七条の二第一項)
第三十条の二 法第八十七条の二(映像と音声の送受信による通話の方法による口頭弁論等)第一項に規定する方法によって口頭弁論の期日における手続を行うときは、裁判所は、次に掲げる事項を確認しなければならない。
一 通話者
二 通話者の所在する場所の状況が当該方法によって手続を実施するために適切なものであること。
2 前項の手続を行ったときは、その旨及び同項第二号に掲げる事項を口頭弁論の調書に記載しなければならない。
(令四最裁規一七・追加)
(音声の送受信による通話の方法による審尋の期日・法第八十七条の二第二項)
第三十条の三 前条の規定は、法第八十七条の二(映像と音声の送受信による通話の方法による口頭弁論等)第二項に規定する方法によって審尋の期日における手続を行う場合について準用する。
(令四最裁規一七・追加)
(受命裁判官の指定及び裁判所の嘱託の手続)
第三十一条 受命裁判官にその職務を行わせる場合には、裁判長がその裁判官を指定する。
2 裁判所がする嘱託の手続は、特別の定めがある場合を除き、裁判所書記官がする。
(和解のための処置・法第八十九条)
第三十二条 裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官(以下「裁判所等」という。)は、和解のため、当事者本人又はその法定代理人の出頭を命ずることができる。
2 裁判所等は、相当と認めるときは、裁判所外において和解をすることができる。
3 裁判所等及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって和解の期日における手続を行うときは、裁判所等は、次に掲げる事項を確認しなければならない。
一 通話者
二 通話者の所在する場所の状況が当該方法によって手続を実施するために適切なものであること。
4 前項の手続を行い、かつ、裁判所等がその結果について裁判所書記官に調書を作成させるときは、同項の手続を行った旨及び同項第二号に掲げる事項を調書に記載させなければならない。
(令四最裁規一七・一部改正)
(訴訟記録の正本等の様式・法第九十一条等)
第三十三条 訴訟記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
(平一五最裁規一九・一部改正)
(訴訟記録の閲覧等の請求の方式等・法第九十一条)
第三十三条の二 訴訟記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付、その複製又は訴訟に関する事項の証明書の交付の請求は、書面でしなければならない。
2 前項の請求(訴訟に関する事項の証明書の交付の請求を除く。)は、訴訟記録中の当該請求に係る部分を特定するに足りる事項を明らかにしてしなければならない。
3 訴訟記録の閲覧又は謄写は、その対象となる書面を提出した者からその写しが提出された場合には、提出された写しによってさせることができる。
(平二七最裁規六・追加)
(閲覧等の制限の申立ての方式等・法第九十二条)
第三十四条 法第九十二条(秘密保護のための閲覧等の制限)第一項の申立ては、書面で、かつ、秘密記載部分を特定してしなければならない。
2 当事者は、自らが提出する文書その他の物件(以下この条及び第五十二条の十一(法第百三十三条の二第二項の申立ての方式等)において「文書等」という。)について前項の申立てをするときは、当該文書等の提出の際にこれをしなければならない。
3 第一項の申立てをするときは、当該申立てに係る文書等から秘密記載部分を除いたものをも作成し、裁判所に提出しなければならない。ただし、同項の申立てに係る秘密記載部分が当該申立てに係る文書等の全部であるときは、この限りでない。
4 第一項の申立てを認容する決定においては、秘密記載部分を特定しなければならない。
5 前項の決定があったときは、第一項の申立てをした者は、遅滞なく、当該申立てに係る文書等から当該決定において特定された秘密記載部分を除いたものを作成し、裁判所に提出しなければならない。ただし、当該申立てにおいて特定された秘密記載部分と当該決定において特定された秘密記載部分とが同一である場合は、この限りでない。
6 法第九十二条第三項の申立ては、書面でしなければならない。
7 法第九十二条第一項の決定の一部を取り消す裁判が確定したときは、第一項の申立てをした者は、遅滞なく、当該申立てに係る文書等から当該決定において特定された秘密記載部分のうち当該決定の一部を取り消す裁判に係る部分以外の部分を除いたものを作成し、裁判所に提出しなければならない。
8 第三項本文、第五項本文又は前項の規定により文書等から秘密記載部分を除いたものが提出された場合には、当該文書等の閲覧、謄写又は複製は、その提出されたものによってさせることができる。
(令四最裁規一七・一部改正)
第二節 専門委員等
(平一五最裁規一九・追加、平一七最裁規一・改称)
第一款 専門委員
(平一七最裁規一・款名追加)
(進行協議期日における専門委員の関与・法第九十二条の二)
第三十四条の二 法第九十二条の二(専門委員の関与)第一項の決定があった場合には、専門委員の説明は、裁判長が進行協議期日において口頭でさせることができる。
2 法第九十二条の三(音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)の規定は、前項の規定による進行協議期日における専門委員の説明について準用する。
(平一五最裁規一九・追加)
(専門委員の説明に関する期日外における取扱い・法第九十二条の二)
第三十四条の三 裁判長が期日外において専門委員に説明を求めた場合において、その説明を求めた事項が訴訟関係を明瞭にする上で重要な事項であるときは、裁判所書記官は、当事者双方に対し、当該事項を通知しなければならない。
2 専門委員が期日外において説明を記載した書面を提出したときは、裁判所書記官は、当事者双方に対し、その写しを送付しなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(証拠調べ期日における裁判長の措置等・法第九十二条の二)
第三十四条の四 裁判長は、法第九十二条の二(専門委員の関与)第二項の規定により専門委員が手続に関与する場合において、証人尋問の期日において専門委員に説明をさせるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、専門委員の説明が証人の証言に影響を及ぼさないための証人の退廷その他適当な措置を採ることができる。
2 当事者は、裁判長に対し、前項の措置を採ることを求めることができる。
(平一五最裁規一九・追加)
(当事者の意見陳述の機会の付与・法第九十二条の二)
第三十四条の五 裁判所は、当事者に対し、専門委員がした説明について意見を述べる機会を与えなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(専門委員に対する準備の指示等・法第九十二条の二)
第三十四条の六 裁判長は、法第九十二条の二(専門委員の関与)又は第三十四条の二(進行協議期日における専門委員の関与)の規定により専門委員に説明をさせるに当たり、必要があると認めるときは、専門委員に対し、係争物の現況の確認その他の準備を指示することができる。
2 裁判長が前項に規定する指示をしたときは、裁判所書記官は、当事者双方に対し、その旨及びその内容を通知するものとする。
(平一五最裁規一九・追加)
(音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与・法第九十二条の三)
第三十四条の七 法第九十二条の二(専門委員の関与)第一項又は第二項の期日において、法第九十二条の三(音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)に規定する方法によって専門委員に説明又は発問をさせるときは、裁判所は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
2 専門委員に前項の説明又は発問をさせたときは、その旨及び通話先の電話番号を調書に記載しなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を記載することができる。
3 第一項の規定は、法第九十二条の二第三項の期日又は進行協議期日において第一項の方法によって専門委員に説明をさせる場合について準用する。
(平一五最裁規一九・追加)
(専門委員の関与の決定の取消しの申立ての方式等・法第九十二条の四)
第三十四条の八 専門委員を手続に関与させる決定の取消しの申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2 前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。ただし、当事者双方が同時に申立てをするときは、この限りでない。
(平一五最裁規一九・追加)
(専門委員の除斥、忌避及び回避・法第九十二条の六)
第三十四条の九 第十条から第十二条まで(除斥又は忌避の申立ての方式等、除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述及び裁判官の回避)の規定は、専門委員について準用する。
(平一五最裁規一九・追加)
(受命裁判官等の権限・法第九十二条の七)
第三十四条の十 受命裁判官又は受託裁判官が法第九十二条の二(専門委員の関与)各項の手続を行う場合には、第三十四条の二(進行協議期日における専門委員の関与)、第三十四条の四(証拠調べ期日における裁判長の措置等)、第三十四条の五(当事者の意見陳述の機会の付与)、第三十四条の六(専門委員に対する準備の指示等)第一項並びに第三十四条の七(音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)第一項及び第三項の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。
(平一五最裁規一九・追加)
第二款 知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥、忌避及び回避
(平一七最裁規一・追加)
(除斥、忌避及び回避に関する規定の準用・法第九十二条の九)
第三十四条の十一 第十条から第十二条まで(除斥又は忌避の申立ての方式等、除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述及び裁判官の回避)の規定は、法第九十二条の八(知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務)の事務を行う裁判所調査官について準用する。
(平一七最裁規一・追加)
第三節 期日及び期間
(平一五最裁規一九・旧第二節繰下)
(受命裁判官等の期日指定・法第九十三条)
第三十五条 受命裁判官又は受託裁判官が行う手続の期日は、その裁判官が指定する。
(期日変更の申立て・法第九十三条)
第三十六条 期日の変更の申立ては、期日の変更を必要とする事由を明らかにしてしなければならない。
(期日変更の制限・法第九十三条)
第三十七条 期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては許してはならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
一 当事者の一方につき訴訟代理人が数人ある場合において、その一部の代理人について変更の事由が生じたこと。
二 期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
(裁判長等が定めた期間の伸縮・法第九十六条)
第三十八条 裁判長、受命裁判官又は受託裁判官は、その定めた期間を伸長し、又は短縮することができる。
第四節 送達等
(平一五最裁規一九・旧第三節繰下)
(送達に関する事務の取扱いの嘱託・法第九十八条)
第三十九条 送達に関する事務の取扱いは、送達地を管轄する地方裁判所の裁判所書記官に嘱託することができる。
(送達すべき書類等・法第百一条)
第四十条 送達すべき書類は、特別の定めがある場合を除き、当該書類の謄本又は副本とする。
2 送達すべき書類の提出に代えて調書を作成したときは、その調書の謄本又は抄本を交付して送達をする。
(送達場所等の届出の方式・法第百四条)
第四十一条 送達を受けるべき場所の届出及び送達受取人の届出は、書面でしなければならない。
2 前項の届出は、できる限り、訴状、答弁書又は支払督促に対する督促異議の申立書に記載してしなければならない。
3 送達を受けるべき場所を届け出る書面には、届出場所が就業場所であることその他の当事者、法定代理人又は訴訟代理人と届出場所との関係を明らかにする事項を記載しなければならない。
(送達場所等の変更の届出・法第百四条)
第四十二条 当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、送達を受けるべき場所として届け出た場所又は送達受取人として届け出た者を変更する届出をすることができる。
2 前条(送達場所等の届出の方式)第一項及び第三項の規定は、前項に規定する変更の届出について準用する。
(就業場所における補充送達の通知・法第百六条)
第四十三条 法第百六条(補充送達及び差置送達)第二項の規定による補充送達がされたときは、裁判所書記官は、その旨を送達を受けた者に通知しなければならない。
(書留郵便に付する送達の通知・法第百七条)
第四十四条 法第百七条(書留郵便に付する送達)第一項又は第二項の規定による書留郵便に付する送達をしたときは、裁判所書記官は、その旨及び当該書類について書留郵便に付して発送した時に送達があったものとみなされることを送達を受けた者に通知しなければならない。
(受命裁判官等の外国における送達の権限・法第百八条)
第四十五条 受命裁判官又は受託裁判官が行う手続において外国における送達をすべきときは、その裁判官も法第百八条(外国における送達)に規定する嘱託をすることができる。
(公示送達の方法・法第百十一条)
第四十六条 呼出状の公示送達は、呼出状を掲示場に掲示してする。
2 裁判所書記官は、公示送達があったことを官報又は新聞紙に掲載することができる。外国においてすべき送達については、裁判所書記官は、官報又は新聞紙への掲載に代えて、公示送達があったことを通知することができる。
(書類の送付)
第四十七条 直送(当事者の相手方に対する直接の送付をいう。以下同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
2 裁判所が当事者その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3 裁判所が当事者の提出に係る書類の相手方への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
4 当事者が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者は、裁判所に対し、当該書類の相手方への送付(準備書面については、送達又は送付)を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
5 当事者から前項の書類又は裁判所が当事者に対し送付すべき書類の直送を受けた相手方は、当該書類を受領した旨を記載した書面について直送をするとともに、当該書面を裁判所に提出しなければならない。ただし、同項の書類又は裁判所が当事者に対し送付すべき書類の直送をした当事者が、受領した旨を相手方が記載した当該書類を裁判所に提出したときは、この限りでない。
(平二七最裁規六・一部改正)
第五節 裁判
(平一五最裁規一九・旧第四節繰下)
(判決確定証明書・法第百十六条)
第四十八条 第一審裁判所の裁判所書記官は、当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求により、訴訟記録に基づいて判決の確定についての証明書を交付する。
2 訴訟がなお上訴審に係属中であるときは、前項の規定にかかわらず、上訴裁判所の裁判所書記官が、判決の確定した部分のみについて同項の証明書を交付する。
(法第百十七条第一項の訴えの訴状の添付書類)
第四十九条 法第百十七条(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)第一項の訴えの訴状には、変更を求める確定判決の写しを添付しなければならない。
(決定及び命令の方式等・法第百十九条等)
第五十条 決定書及び命令書には、決定又は命令をした裁判官が記名押印しなければならない。
2 決定又は命令の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を訴訟記録上明らかにしなければならない。
3 決定及び命令には、前二項に規定するほか、その性質に反しない限り、判決に関する規定を準用する。
(調書決定)
第五十条の二 最高裁判所が決定をする場合において、相当と認めるときは、決定書の作成に代えて、決定の内容を調書に記載させることができる。
(平一六最裁規一六・追加)
第六節 訴訟手続の中断
(平一五最裁規一九・旧第五節繰下)
(訴訟手続の受継の申立ての方式・法第百二十四条等)
第五十一条 訴訟手続の受継の申立ては、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、訴訟手続を受け継ぐ者が法第百二十四条(訴訟手続の中断及び受継)第一項各号に定める者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
(訴訟代理人による中断事由の届出・法第百二十四条)
第五十二条 法第百二十四条(訴訟手続の中断及び受継)第一項各号に掲げる事由が生じたときは、訴訟代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等
(平一五最裁規一九・追加)
(予告通知の書面の記載事項等・法第百三十二条の二)
第五十二条の二 予告通知の書面には、法第百三十二条の二(訴えの提起前における照会)第三項に規定する請求の要旨及び紛争の要点を記載するほか、次に掲げる事項を記載し、予告通知をする者又はその代理人が記名押印するものとする。
一 予告通知をする者及び予告通知の相手方の氏名又は名称及び住所並びにそれらの代理人の氏名及び住所
二 予告通知の年月日
三 法第百三十二条の二第一項の規定による予告通知である旨
2 前項の請求の要旨及び紛争の要点は、具体的に記載しなければならない。
3 予告通知においては、できる限り、訴えの提起の予定時期を明らかにしなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(予告通知に対する返答の書面の記載事項等・法第百三十二条の三)
第五十二条の三 予告通知に対する返答の書面には、法第百三十二条の三(訴えの提起前における照会)第一項に規定する答弁の要旨を記載するほか、前条(予告通知の書面の記載事項等)第一項第一号に規定する事項、返答の年月日及び法第百三十二条の三第一項の規定による返答である旨を記載し、その返答をする者又はその代理人が記名押印するものとする。
2 前項の答弁の要旨は、具体的に記載しなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(訴えの提起前における照会及び回答の書面の記載事項等・法第百三十二条の二等)
第五十二条の四 法第百三十二条の二(訴えの提起前における照会)第一項の規定による照会及びこれに対する回答は、照会の書面及び回答の書面を相手方に送付してする。この場合において、相手方に代理人があるときは、照会の書面は、当該代理人に対し送付するものとする。
2 前項の照会の書面には、次に掲げる事項を記載し、照会をする者又はその代理人が記名押印するものとする。
一 照会をする者及び照会を受ける者並びにそれらの代理人の氏名
二 照会の根拠となる予告通知の表示
三 照会の年月日
四 照会をする事項(以下この条において「照会事項」という。)及びその必要性
五 法第百三十二条の二第一項の規定により照会をする旨
六 回答すべき期間
七 照会をする者の住所、郵便番号及びファクシミリの番号
3 第一項の回答の書面には、前項第一号及び第二号に掲げる事項、回答の年月日並びに照会事項に対する回答を記載し、照会を受けた者又はその代理人が記名押印するものとする。この場合において、照会事項中に法第百三十二条の二第一項第一号に掲げる照会に該当することを理由としてその回答を拒絶するものがあるときは、法第百六十三条(当事者照会)各号のいずれに該当するかをも、法第百三十二条の二第一項第二号又は第三号に掲げる照会に該当することを理由としてその回答を拒絶するものがあるときは、そのいずれに該当するかをも記載するものとする。
4 照会事項は、項目を分けて記載するものとし、照会事項に対する回答は、できる限り、照会事項の項目に対応させて、かつ、具体的に記載するものとする。
5 前各項の規定は、法第百三十二条の三(訴えの提起前における照会)第一項の規定による照会及びこれに対する回答について準用する。
(平一五最裁規一九・追加)
(証拠収集の処分の申立ての方式・法第百三十二条の四)
第五十二条の五 法第百三十二条の四(訴えの提起前における証拠収集の処分)第一項各号の処分の申立ては、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 申立ての根拠となる申立人がした予告通知又は返答の相手方(以下この章において単に「相手方」という。)の氏名又は名称及び住所
二 申立てに係る処分の内容
三 申立ての根拠となる申立人又は相手方がした予告通知(以下この項並びに次条(証拠収集の処分の申立書の添付書類)第一項各号及び第二項において単に「予告通知」という。)に係る請求の要旨及び紛争の要点
四 予告通知に係る訴えが提起された場合に立証されるべき事実及びこれと申立てに係る処分により得られる証拠となるべきものとの関係
五 申立人が前号の証拠となるべきものを自ら収集することが困難である事由
六 予告通知がされた日から四月の不変期間内にされた申立てであること又はその期間の経過後に申立てをすることについて相手方の同意があること。
3 第一項の書面には、前項各号に掲げる事項のほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を記載しなければならない。
一 法第百三十二条の四第一項第一号の処分の申立てをする場合 当該文書の所持者の居所
二 法第百三十二条の四第一項第二号の処分の申立てをする場合 当該嘱託を受けるべき同号に規定する官公署等の所在地
三 法第百三十二条の四第一項第三号の処分の申立てをする場合であって、その申立てが特定の物についての意見の陳述の嘱託に係る場合 当該特定の物の所在地
四 法第百三十二条の四第一項第四号の処分の申立てをする場合 当該調査に係る物の所在地
4 法第百三十二条の四第一項第一号の処分の申立てにおける第二項第二号に掲げる事項の記載は、送付を求める文書(法第二百三十一条(文書に準ずる物件への準用)に規定する物件を含む。)を特定するに足りる事項を明らかにしてしなければならない。法第百三十二条の四第一項第三号又は第四号の処分の申立てにおける前項第三号又は第四号に定める物についても、同様とする。
5 法第百三十二条の四第一項第二号又は第四号の処分の申立てにおける第二項第二号に掲げる事項の記載は、調査を求める事項を明らかにしてしなければならない。同条第一項第三号の処分の申立てにおける意見の陳述を求める事項についても、同様とする。
6 第二項第五号の事由は、疎明しなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(証拠収集の処分の申立書の添付書類・法第百三十二条の四)
第五十二条の六 前条(証拠収集の処分の申立ての方式)第一項の書面(以下この条において「申立書」という。)には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 予告通知の書面の写し
二 予告通知がされた日から四月の不変期間が経過しているときは、前条第二項第六号の相手方の同意を証する書面
2 予告通知に対する返答をした被予告通知者が法第百三十二条の四(訴えの提起前における証拠収集の処分)第一項の処分の申立てをするときは、当該申立書には、前項各号に掲げる書類のほか、当該返答の書面の写しを添付しなければならない。
3 法第百三十二条の四第一項第三号の処分の申立てをする場合において、当該処分が特定の物についての意見の陳述を嘱託するものであり、かつ、当該特定の物に関する権利が登記又は登録をすることができるものであるときは、当該申立書には、当該特定の物の登記事項証明書又は登録原簿に記載されている事項を証明した書面を添付しなければならない。同項第四号の処分の申立てをする場合において、調査に係る物に関する権利が登記又は登録をすることができるものであるときも、同様とする。
(平一五最裁規一九・追加、平一七最裁規六・一部改正)
(証拠収集の処分の手続等・法第百三十二条の六)
第五十二条の七 裁判所は、必要があると認めるときは、嘱託を受けるべき者その他参考人の意見を聴くことができる。
2 法第百三十二条の四(訴えの提起前における証拠収集の処分)第一項第一号に規定する文書の送付は、原本、正本又は認証のある謄本のほか、裁判所が嘱託を受けるべき者の負担その他の事情を考慮して相当と認めるときは、写しですることができる。
3 第百三条(外国における証拠調べの嘱託の手続)の規定は、法第百三十二条の六(証拠収集の処分の手続等)第五項において準用する法第百八十四条(外国における証拠調べ)第一項の規定により外国においてすべき法第百三十二条の四第一項第一号から第三号までの処分に係る嘱託の手続について準用する。
4 執行官は、法第百三十二条の四第一項第四号の調査をするに当たっては、当該調査を実施する日時及び場所を定め、申立人及び相手方に対し、その日時及び場所を通知しなければならない。
5 第四条(催告及び通知)第一項、第二項及び第五項の規定は、前項に規定する通知について準用する。この場合において、同条第二項及び第五項中「裁判所書記官」とあるのは「執行官」と、「訴訟記録上」とあるのは「報告書において」と読み替えるものとする。
6 法第百三十二条の四第一項第四号の調査の結果に関する報告書には、調査をした執行官の氏名、調査に係る物の表示、調査に着手した日時及びこれを終了した日時、調査をした場所、調査に立ち会った者があるときはその氏名、調査を命じられた事項並びに調査の結果を記載しなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(訴えの提起の予定の有無等の告知)
第五十二条の八 予告通知者は、予告通知をした日から四月が経過したとき、又はその経過前であっても被予告通知者の求めがあるときは、被予告通知者に対し、その予告通知に係る訴えの提起の予定の有無及びその予定時期を明らかにしなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
第七章 当事者に対する住所、氏名等の秘匿
(令四最裁規一七・追加)
(申立ての方式)
第五十二条の九 次に掲げる申立ては、書面でしなければならない。
一 法第百三十三条(申立人の住所、氏名等の秘匿)第一項の申立て
二 法第百三十三条の二(秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則)第二項の申立て
三 法第百三十三条の四(秘匿決定の取消し等)第一項の取消しの申立て
四 法第百三十三条の四第二項の許可の申立て
(令四最裁規一七・追加)
(秘匿事項届出書面の記載事項等)
第五十二条の十 秘匿事項届出書面には、秘匿事項のほか、次に掲げる事項を記載し、秘匿対象者が記名押印しなければならない。
一 秘匿事項届出書面である旨の表示
二 秘匿対象者の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。以下「電話番号等」という。)
2 前項(第二号に係る部分に限る。)の規定は、秘匿対象者の郵便番号及び電話番号等を記載した訴状又は答弁書が提出されている場合には、適用しない。
(令四最裁規一七・追加)
(法第百三十三条の二第二項の申立ての方式等)
第五十二条の十一 法第百三十三条の二(秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則)第二項の申立ては、秘匿事項記載部分を特定してしなければならない。
2 秘匿対象者は、自らが提出する文書等について前項の申立てをするときは、当該文書等の提出の際にこれをしなければならない。
3 第一項の申立てをするときは、当該申立てに係る文書等から秘匿事項記載部分を除いたものをも作成し、裁判所に提出しなければならない。
4 第一項の申立てを認容する決定においては、秘匿事項記載部分を特定しなければならない。
5 前項の決定があったときは、第一項の申立てをした者は、遅滞なく、当該申立てに係る文書等から当該決定において特定された秘匿事項記載部分を除いたものを作成し、裁判所に提出しなければならない。ただし、当該申立てにおいて特定された秘匿事項記載部分と当該決定において特定された秘匿事項記載部分とが同一である場合は、この限りでない。
6 法第百三十三条の二第二項の決定の一部について法第百三十三条の四(秘匿決定の取消し等)第一項の取消しの裁判が確定したとき又は同条第二項の許可の裁判が確定したときは、第一項の申立てをした者は、遅滞なく、当該申立てに係る文書等から当該法第百三十三条の二第二項の決定において特定された秘匿事項記載部分のうち法第百三十三条の四第一項の取消しの裁判又は同条第二項の許可の裁判に係る部分以外の部分を除いたものを作成し、裁判所に提出しなければならない。
7 第三項、第五項本文又は前項の規定により文書等から秘匿事項記載部分を除いたものが提出された場合には、当該文書等の閲覧、謄写又は複製は、その提出されたものによってさせることができる。
(令四最裁規一七・追加)
(押印を必要とする書面の特例等)
第五十二条の十二 氏名について秘匿決定があった場合には、この規則の規定(第五十二条の十(秘匿事項届出書面の記載事項等)第一項を除く。次項において同じ。)による押印(当該秘匿決定に係る秘匿対象者がするものに限る。)は、することを要しない。
2 住所等について秘匿決定があった場合には、この規則の規定による郵便番号及び電話番号等(当該秘匿決定に係る秘匿対象者に係るものに限る。)の記載は、することを要しない。
(令四最裁規一七・追加)
(秘匿決定の一部が取り消された場合等の取扱い)
第五十二条の十三 秘匿決定の一部について法第百三十三条の四(秘匿決定の取消し等)第一項の取消しの裁判が確定したとき又は秘匿事項届出書面の一部について同条第二項の許可の裁判が確定したときは、法第百三十三条(申立人の住所、氏名等の秘匿)第一項の申立てをした者は、遅滞なく、既に提出した秘匿事項届出書面から当該取消しの裁判又は当該許可の裁判に係る部分以外の部分(秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項が記載された部分に限る。)を除いたもの(次項において「閲覧等用秘匿事項届出書面」という。)を作成し、裁判所に提出しなければならない。
2 前項の規定により閲覧等用秘匿事項届出書面が提出された場合には、秘匿事項届出書面の閲覧又は謄写は、当該閲覧等用秘匿事項届出書面によってさせることができる。
(令四最裁規一七・追加)
第二編 第一審の訴訟手続
第一章 訴え
(訴状の記載事項・法第百三十四条)
第五十三条 訴状には、請求の趣旨及び請求の原因(請求を特定するのに必要な事実をいう。)を記載するほか、請求を理由づける事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。
2 訴状に事実についての主張を記載するには、できる限り、請求を理由づける事実についての主張と当該事実に関連する事実についての主張とを区別して記載しなければならない。
3 攻撃又は防御の方法を記載した訴状は、準備書面を兼ねるものとする。
4 訴状には、第一項に規定する事項のほか、原告又はその代理人の郵便番号及び電話番号等を記載しなければならない。
(令四最裁規一七・一部改正)
(訴えの提起前に証拠保全が行われた場合の訴状の記載事項)
第五十四条 訴えの提起前に証拠保全のための証拠調べが行われたときは、訴状には、前条(訴状の記載事項)第一項及び第四項に規定する事項のほか、その証拠調べを行った裁判所及び証拠保全事件の表示を記載しなければならない。
(訴状の添付書類)
第五十五条 次の各号に掲げる事件の訴状には、それぞれ当該各号に定める書類を添付しなければならない。
一 不動産に関する事件 登記事項証明書
二 手形又は小切手に関する事件 手形又は小切手の写し
2 前項に規定するほか、訴状には、立証を要する事由につき、証拠となるべき文書の写し(以下「書証の写し」という。)で重要なものを添付しなければならない。
(平一五最裁規二四・平一七最裁規六・一部改正)
(訴状の補正の促し・法第百三十七条)
第五十六条 裁判長は、訴状の記載について必要な補正を促す場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(訴状却下命令に対する即時抗告・法第百三十七条等)
第五十七条 訴状却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、却下された訴状を添付しなければならない。
(訴状の送達等・法第百三十八条等)
第五十八条 訴状の送達は、原告から提出された副本によってする。
2 前項の規定は、法第百四十三条(訴えの変更)第二項(法第百四十四条(選定者に係る請求の追加)第三項及び第百四十五条(中間確認の訴え)第四項において準用する場合を含む。)の書面の送達について準用する。
(平一八最裁規二・平二七最裁規六・一部改正)
(反訴・法第百四十六条)
第五十九条 反訴については、訴えに関する規定を適用する。
第二章 口頭弁論及びその準備
第一節 口頭弁論
(最初の口頭弁論期日の指定・法第百三十九条)
第六十条 訴えが提起されたときは、裁判長は、速やかに、口頭弁論の期日を指定しなければならない。ただし、事件を弁論準備手続に付する場合(付することについて当事者に異議がないときに限る。)又は書面による準備手続に付する場合は、この限りでない。
2 前項の期日は、特別の事由がある場合を除き、訴えが提起された日から三十日以内の日に指定しなければならない。
(最初の口頭弁論期日前における参考事項の聴取)
第六十一条 裁判長は、最初にすべき口頭弁論の期日前に、当事者から、訴訟の進行に関する意見その他訴訟の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
2 裁判長は、前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(口頭弁論期日の開始)
第六十二条 口頭弁論の期日は、事件の呼上げによって開始する。
(期日外釈明の方法・法第百四十九条)
第六十三条 裁判長又は陪席裁判官は、口頭弁論の期日外において、法第百四十九条(釈明権等)第一項又は第二項の規定による釈明のための処置をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
2 裁判長又は陪席裁判官が、口頭弁論の期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について前項の処置をしたときは、裁判所書記官は、その内容を訴訟記録上明らかにしなければならない。
(口頭弁論期日の変更の制限)
第六十四条 争点及び証拠の整理手続を経た事件についての口頭弁論の期日の変更は、事実及び証拠についての調査が十分に行われていないことを理由としては許してはならない。
(訴訟代理人の陳述禁止等の通知・法第百五十五条)
第六十五条 裁判所が訴訟代理人の陳述を禁じ、又は弁護士の付添いを命じたときは、裁判所書記官は、その旨を本人に通知しなければならない。
(口頭弁論調書の形式的記載事項・法第百六十条)
第六十六条 口頭弁論の調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 事件の表示
二 裁判官及び裁判所書記官の氏名
三 立ち会った検察官の氏名
四 出頭した当事者、代理人、補佐人及び通訳人の氏名
五 弁論の日時及び場所
六 弁論を公開したこと又は公開しなかったときはその旨及びその理由
2 前項の調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
3 前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。
(口頭弁論調書の実質的記載事項・法第百六十条)
第六十七条 口頭弁論の調書には、弁論の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなければならない。
一 訴えの取下げ、和解、請求の放棄及び認諾並びに自白
二 法第百四十七条の三(審理の計画)第一項の審理の計画が同項の規定により定められ、又は同条第四項の規定により変更されたときは、その定められ、又は変更された内容
三 証人、当事者本人及び鑑定人の陳述
四 証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
五 検証の結果
六 裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
七 書面を作成しないでした裁判
八 裁判の言渡し
2 前項の規定にかかわらず、訴訟が裁判によらないで完結した場合には、裁判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略することができる。ただし、当事者が訴訟の完結を知った日から一週間以内にその記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
3 口頭弁論の調書には、弁論の要領のほか、当事者による攻撃又は防御の方法の提出の予定その他訴訟手続の進行に関する事項を記載することができる。
(平一五最裁規一九・一部改正)
(調書の記載に代わる録音テープ等への記録)
第六十八条 裁判所書記官は、前条(口頭弁論調書の実質的記載事項)第一項の規定にかかわらず、裁判長の許可があったときは、証人、当事者本人又は鑑定人(以下「証人等」という。)の陳述を録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録することができる物を含む。以下「録音テープ等」という。)に記録し、これをもって調書の記載に代えることができる。この場合において、当事者は、裁判長が許可をする際に、意見を述べることができる。
2 前項の場合において、訴訟が完結するまでに当事者の申出があったときは、証人等の陳述を記載した書面を作成しなければならない。訴訟が上訴審に係属中である場合において、上訴裁判所が必要があると認めたときも、同様とする。
(書面等の引用添付)
第六十九条 口頭弁論の調書には、書面、写真、録音テープ、ビデオテープその他裁判所において適当と認めるものを引用し、訴訟記録に添付して調書の一部とすることができる。
(陳述の速記)
第七十条 裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、裁判所速記官その他の速記者に口頭弁論における陳述の全部又は一部を速記させることができる。
(速記録の作成)
第七十一条 裁判所速記官は、前条(陳述の速記)の規定により速記した場合には、速やかに、速記原本を反訳して速記録を作成しなければならない。ただし、第七十三条(速記原本の引用添付)の規定により速記原本が調書の一部とされるときその他裁判所が速記録を作成する必要がないと認めるときは、この限りでない。
(速記録の引用添付)
第七十二条 裁判所速記官が作成した速記録は、調書に引用し、訴訟記録に添付して調書の一部とするものとする。ただし、裁判所が速記録の引用を適当でないと認めるときは、この限りでない。
(速記原本の引用添付)
第七十三条 証人及び当事者本人の尋問並びに鑑定人の口頭による意見の陳述については、裁判所が相当と認め、かつ、当事者が同意したときは、裁判所速記官が作成した速記原本を引用し、訴訟記録に添付して調書の一部とすることができる。
(平一七最裁規一・一部改正)
(速記原本の反訳等)
第七十四条 裁判所は、次に掲げる場合には、裁判所速記官に前条(速記原本の引用添付)の規定により調書の一部とされた速記原本を反訳して速記録を作成させなければならない。
一 訴訟記録の閲覧、謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求する者が反訳を請求したとき。
二 裁判官が代わったとき。
三 上訴の提起又は上告受理の申立てがあったとき。
四 その他必要があると認めるとき。
2 裁判所書記官は、前項の規定により作成された速記録を訴訟記録に添付し、その旨を当事者その他の関係人に通知しなければならない。
3 前項の規定により訴訟記録に添付された速記録は、前条の規定により調書の一部とされた速記原本に代わるものとする。
(速記原本の訳読)
第七十五条 裁判所速記官は、訴訟記録の閲覧を請求する者が調書の一部とされた速記原本の訳読を請求した場合において裁判所書記官の求めがあったときは、その訳読をしなければならない。
(口頭弁論における陳述の録音)
第七十六条 裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、録音装置を使用して口頭弁論における陳述の全部又は一部を録取させることができる。この場合において、裁判所が相当と認めるときは、録音テープを反訳した調書を作成しなければならない。
(平九最裁規五・一部改正)
(写真の撮影等の制限)
第七十七条 民事訴訟に関する手続の期日における写真の撮影、速記、録音、録画又は放送は、裁判長、受命裁判官又は受託裁判官の許可を得なければすることができない。期日外における審尋及び法第百七十六条(書面による準備手続の方法等)第三項に基づく協議についても、同様とする。
(令四最裁規一七・一部改正)
(裁判所の審尋等への準用)
第七十八条 法第百六十条(口頭弁論調書)及び第六十六条から第七十六条まで(口頭弁論調書の形式的記載事項、口頭弁論調書の実質的記載事項、調書の記載に代わる録音テープ等への記録、書面等の引用添付、陳述の速記、速記録の作成、速記録の引用添付、速記原本の引用添付、速記原本の反訳等、速記原本の訳読及び口頭弁論における陳述の録音)の規定は、裁判所の審尋及び口頭弁論の期日外に行う証拠調べ並びに受命裁判官又は受託裁判官が行う手続について準用する。
(令四最裁規一七・一部改正)
第二節 準備書面等
(準備書面・法第百六十一条)
第七十九条 答弁書その他の準備書面は、これに記載した事項について相手方が準備をするのに必要な期間をおいて、裁判所に提出しなければならない。
2 準備書面に事実についての主張を記載する場合には、できる限り、請求を理由づける事実、抗弁事実又は再抗弁事実についての主張とこれらに関連する事実についての主張とを区別して記載しなければならない。
3 準備書面において相手方の主張する事実を否認する場合には、その理由を記載しなければならない。
4 第二項に規定する場合には、立証を要する事由ごとに、証拠を記載しなければならない。
(答弁書)
第八十条 答弁書には、請求の趣旨に対する答弁を記載するほか、訴状に記載された事実に対する認否及び抗弁事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。やむを得ない事由によりこれらを記載することができない場合には、答弁書の提出後速やかに、これらを記載した準備書面を提出しなければならない。
2 答弁書には、立証を要する事由につき、重要な書証の写しを添付しなければならない。やむを得ない事由により添付することができない場合には、答弁書の提出後速やかに、これを提出しなければならない。
3 第五十三条(訴状の記載事項)第四項の規定は、答弁書について準用する。
(答弁に対する反論)
第八十一条 被告の答弁により反論を要することとなった場合には、原告は、速やかに、答弁書に記載された事実に対する認否及び再抗弁事実を具体的に記載し、かつ、立証を要することとなった事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載した準備書面を提出しなければならない。当該準備書面には、立証を要することとなった事由につき、重要な書証の写しを添付しなければならない。
(準備書面に引用した文書の取扱い)
第八十二条 文書を準備書面に引用した当事者は、裁判所又は相手方の求めがあるときは、その写しを提出しなければならない。
2 前項の当事者は、同項の写しについて直送をしなければならない。
(準備書面の直送)
第八十三条 当事者は、準備書面について、第七十九条(準備書面)第一項の期間をおいて、直送をしなければならない。
(平二七最裁規六・一部改正)
(当事者照会・法第百六十三条)
第八十四条 法第百六十三条(当事者照会)の規定による照会及びこれに対する回答は、照会書及び回答書を相手方に送付してする。この場合において、相手方に代理人があるときは、照会書は、当該代理人に対し送付するものとする。
2 前項の照会書には、次に掲げる事項を記載し、当事者又は代理人が記名押印するものとする。
一 当事者及び代理人の氏名
二 事件の表示
三 訴訟の係属する裁判所の表示
四 年月日
五 照会をする事項(以下この条において「照会事項」という。)及びその必要性
六 法第百六十三条の規定により照会をする旨
七 回答すべき期間
八 照会をする者の住所、郵便番号及びファクシミリの番号
3 第一項の回答書には、前項第一号から第四号までに掲げる事項及び照会事項に対する回答を記載し、当事者又は代理人が記名押印するものとする。この場合において、照会事項中に法第百六十三条各号に掲げる照会に該当することを理由としてその回答を拒絶するものがあるときは、その条項をも記載するものとする。
4 照会事項は、項目を分けて記載するものとし、照会事項に対する回答は、できる限り、照会事項の項目に対応させて、かつ、具体的に記載するものとする。
(調査の義務)
第八十五条 当事者は、主張及び立証を尽くすため、あらかじめ、証人その他の証拠について事実関係を詳細に調査しなければならない。
第三節 争点及び証拠の整理手続
第一款 準備的口頭弁論
(証明すべき事実の調書記載等・法第百六十五条)
第八十六条 裁判所は、準備的口頭弁論を終了するに当たり、その後の証拠調べによって証明すべき事実が確認された場合において、相当と認めるときは、裁判所書記官に当該事実を準備的口頭弁論の調書に記載させなければならない。
2 裁判長は、準備的口頭弁論を終了するに当たり、当事者に準備的口頭弁論における争点及び証拠の整理の結果を要約した書面を提出させる場合には、その書面の提出をすべき期間を定めることができる。
(法第百六十七条の規定による当事者の説明の方式)
第八十七条 法第百六十七条(準備的口頭弁論終了後の攻撃防御方法の提出)の規定による当事者の説明は、期日において口頭でする場合を除き、書面でしなければならない。
2 前項の説明が期日において口頭でされた場合には、相手方は、説明をした当事者に対し、当該説明の内容を記載した書面を交付するよう求めることができる。
第二款 弁論準備手続
(弁論準備手続調書等・法第百七十条等)
第八十八条 弁論準備手続の調書には、当事者の陳述に基づき、法第百六十一条(準備書面)第二項に掲げる事項を記載し、特に、証拠については、その申出を明確にしなければならない。
2 裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって弁論準備手続の期日における手続を行うときは、裁判所又は受命裁判官は、次に掲げる事項を確認しなければならない。
一 通話者
二 通話者の所在する場所の状況が当該方法によって手続を実施するために適切なものであること。
3 前項の手続を行ったときは、その旨及び同項第二号に掲げる事項を弁論準備手続の調書に記載しなければならない。
4 第一項及び前項に規定するほか、弁論準備手続の調書については、法第百六十条(口頭弁論調書)及びこの規則中口頭弁論の調書に関する規定を準用する。
(令四最裁規一七・一部改正)
(弁論準備手続の結果の陳述・法第百七十三条)
第八十九条 弁論準備手続の終結後に、口頭弁論において弁論準備手続の結果を陳述するときは、その後の証拠調べによって証明すべき事実を明らかにしてしなければならない。
(準備的口頭弁論の規定等の準用・法第百七十条等)
第九十条 第六十三条(期日外釈明の方法)及び第六十五条(訴訟代理人の陳述禁止等の通知)並びに前款(準備的口頭弁論)の規定は、弁論準備手続について準用する。
第三款 書面による準備手続
(音声の送受信による通話の方法による協議・法第百七十六条)
第九十一条 裁判長又は高等裁判所における受命裁判官(以下この条において「裁判長等」という。)は、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって書面による準備手続における協議をする場合には、その協議の日時を指定することができる。
2 前項の方法による協議をしたときは、裁判長等は、裁判所書記官に当該手続についての調書を作成させ、これに協議の結果を記載させることができる。
3 第一項の方法による協議をし、かつ、裁判長等がその結果について裁判所書記官に記録をさせたときは、その記録に同項の方法による協議をした旨及び次項において準用する第八十八条(弁論準備手続調書等)第二項第二号に掲げる事項を記載させなければならない。
4 第八十八条第二項の規定は、第一項の方法による協議をする場合について準用する。
(令四最裁規一七・一部改正)
(口頭弁論の規定等の準用・法第百七十六条)
第九十二条 第六十三条(期日外釈明の方法)及び第八十六条(証明すべき事実の調書記載等)第二項の規定は、書面による準備手続について準用する。
(証明すべき事実の調書記載・法第百七十七条)
第九十三条 書面による準備手続を終結した事件について、口頭弁論の期日において、その後の証拠調べによって証明すべき事実の確認がされたときは、当該事実を口頭弁論の調書に記載しなければならない。
(法第百七十八条の規定による当事者の説明の方式)
第九十四条 法第百七十八条(書面による準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)の規定による当事者の説明は、期日において口頭でする場合を除き、書面でしなければならない。
2 第八十七条(法第百六十七条の規定による当事者の説明の方式)第二項の規定は、前項の説明が期日において口頭でされた場合について準用する。
第四節 進行協議期日
(進行協議期日)
第九十五条 裁判所は、口頭弁論の期日外において、その審理を充実させることを目的として、当事者双方が立ち会うことができる進行協議期日を指定することができる。この期日においては、裁判所及び当事者は、口頭弁論における証拠調べと争点との関係の確認その他訴訟の進行に関し必要な事項についての協議を行うものとする。
2 訴えの取下げ並びに請求の放棄及び認諾は、進行協議期日においてもすることができる。
3 法第二百六十一条(訴えの取下げ)第四項及び第五項の規定は、前項の訴えの取下げについて準用する。
(音声の送受信による通話の方法による進行協議期日)
第九十六条 裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、進行協議期日における手続を行うことができる。
2 進行協議期日に出頭しないで前項の手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなす。
3 第一項の方法による手続を行い、かつ、裁判所又は受命裁判官がその結果について裁判所書記官に調書を作成させるときは、同項の方法による手続を行った旨及び次項において準用する第八十八条(弁論準備手続調書等)第二項第二号に掲げる事項を調書に記載させなければならない。
4 第八十八条第二項の規定は、第一項の手続を行う場合について準用する。
(令四最裁規一七・一部改正)
(裁判所外における進行協議期日)
第九十七条 裁判所は、相当と認めるときは、裁判所外において進行協議期日における手続を行うことができる。
(受命裁判官による進行協議期日)
第九十八条 裁判所は、受命裁判官に進行協議期日における手続を行わせることができる。
第三章 証拠
第一節 総則
(証拠の申出・法第百八十条)
第九十九条 証拠の申出は、証明すべき事実及びこれと証拠との関係を具体的に明示してしなければならない。
2 第八十三条(準備書面の直送)の規定は、証拠の申出を記載した書面についても適用する。
(証人及び当事者本人の一括申出・法第百八十二条)
第百条 証人及び当事者本人の尋問の申出は、できる限り、一括してしなければならない。
(証拠調べの準備)
第百一条 争点及び証拠の整理手続を経た事件については、裁判所は、争点及び証拠の整理手続の終了又は終結後における最初の口頭弁論の期日において、直ちに証拠調べをすることができるようにしなければならない。
(文書等の提出時期)
第百二条 証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の口頭による意見の陳述において使用する予定の文書は、証人等の陳述の信用性を争うための証拠として使用するものを除き、当該尋問又は意見の陳述を開始する時の相当期間前までに、提出しなければならない。ただし、当該文書を提出することができないときは、その写しを提出すれば足りる。
(平一七最裁規一・一部改正)
(外国における証拠調べの嘱託の手続・法第百八十四条)
第百三条 外国においてすべき証拠調べの嘱託の手続は、裁判長がする。
(証拠調べの再嘱託の通知・法第百八十五条)
第百四条 受託裁判官が他の地方裁判所又は簡易裁判所に更に証拠調べの嘱託をしたときは、受託裁判官の所属する裁判所の裁判所書記官は、その旨を受訴裁判所及び当事者に通知しなければならない。
(嘱託に基づく証拠調べの記録の送付・法第百八十五条)
第百五条 受託裁判官の所属する裁判所の裁判所書記官は、受訴裁判所の裁判所書記官に対し、証拠調べに関する記録を送付しなければならない。
(過料の裁判の執行に関する調査・法第百八十九条)
第百五条の二 刑事訴訟規則(昭和二十三年最高裁判所規則第三十二号)第百五十八条(処罰等の請求)、第二百九十五条の六から第二百九十五条の十まで(差押え等の令状請求書の記載要件、資料の提供等、身体検査令状の記載要件、令状の返還に関する記載及び鑑定処分許可請求書の記載要件)、第二百九十五条の十一(準用規定等)第一項、第二百九十九条(裁判官に対する取調等の請求)第一項及び第三百条(令状の有効期間)の規定は、法第百八十九条(過料の裁判の執行)第三項(法及び他の法令において準用する場合を含む。)において読み替えて準用する刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第七編第二章(第五百十一条及び第五百十三条第六項から第八項までを除く。)の規定による過料の裁判の執行に関する調査について準用する。
(令五最裁規四・追加)
第二節 証人尋問
(証人尋問の申出)
第百六条 証人尋問の申出は、証人を指定し、かつ、尋問に要する見込みの時間を明らかにしてしなければならない。
(尋問事項書)
第百七条 証人尋問の申出をするときは、同時に、尋問事項書(尋問事項を記載した書面をいう。以下同じ。)二通を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2 尋問事項書は、できる限り、個別的かつ具体的に記載しなければならない。
3 第一項の申出をする当事者は、尋問事項書について直送をしなければならない。
(呼出状の記載事項等)
第百八条 証人の呼出状には、次に掲げる事項を記載し、尋問事項書を添付しなければならない。
一 当事者の表示
二 出頭すべき日時及び場所
三 出頭しない場合における法律上の制裁
(証人の出頭の確保)
第百九条 証人を尋問する旨の決定があったときは、尋問の申出をした当事者は、証人を期日に出頭させるように努めなければならない。
(不出頭の届出)
第百十条 証人は、期日に出頭することができない事由が生じたときは、直ちに、その事由を明らかにして届け出なければならない。
(勾引・法第百九十四条)
第百十一条 刑事訴訟規則中勾引に関する規定は、正当な理由なく出頭しない証人の勾引について準用する。
(令五最裁規四・一部改正)
(宣誓・法第二百一条)
第百十二条 証人の宣誓は、尋問の前にさせなければならない。ただし、特別の事由があるときは、尋問の後にさせることができる。
2 宣誓は、起立して厳粛に行わなければならない。
3 裁判長は、証人に宣誓書を朗読させ、かつ、これに署名押印させなければならない。証人が宣誓書を朗読することができないときは、裁判長は、裁判所書記官にこれを朗読させなければならない。
4 裁判長は、相当と認めるときは、前項前段の規定にかかわらず、同項前段に規定する署名押印に代えて、宣誓書に宣誓の趣旨を理解した旨の記載をさせることができる。
5 前二項の宣誓書には、良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、また、何事も付け加えないことを誓う旨を記載しなければならない。
6 裁判長は、宣誓の前に、宣誓の趣旨を説明し、かつ、偽証の罰を告げなければならない。
(令四最裁規一七・一部改正)
(尋問の順序・法第二百二条)
第百十三条 当事者による証人の尋問は、次の順序による。
一 尋問の申出をした当事者の尋問(主尋問)
二 相手方の尋問(反対尋問)
三 尋問の申出をした当事者の再度の尋問(再主尋問)
2 当事者は、裁判長の許可を得て、更に尋問をすることができる。
3 裁判長は、法第二百二条(尋問の順序)第一項及び第二項の規定によるほか、必要があると認めるときは、いつでも、自ら証人を尋問し、又は当事者の尋問を許すことができる。
4 陪席裁判官は、裁判長に告げて、証人を尋問することができる。
(質問の制限)
第百十四条 次の各号に掲げる尋問は、それぞれ当該各号に定める事項について行うものとする。
一 主尋問 立証すべき事項及びこれに関連する事項
二 反対尋問 主尋問に現れた事項及びこれに関連する事項並びに証言の信用性に関する事項
三 再主尋問 反対尋問に現れた事項及びこれに関連する事項
2 裁判長は、前項各号に掲げる尋問における質問が同項各号に定める事項以外の事項に関するものであって相当でないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを制限することができる。
第百十五条 質問は、できる限り、個別的かつ具体的にしなければならない。
2 当事者は、次に掲げる質問をしてはならない。ただし、第二号から第六号までに掲げる質問については、正当な理由がある場合は、この限りでない。
一 証人を侮辱し、又は困惑させる質問
二 誘導質問
三 既にした質問と重複する質問
四 争点に関係のない質問
五 意見の陳述を求める質問
六 証人が直接経験しなかった事実についての陳述を求める質問
3 裁判長は、質問が前項の規定に違反するものであると認めるときは、申立てにより又は職権で、これを制限することができる。
(文書等の質問への利用)
第百十六条 当事者は、裁判長の許可を得て、文書、図面、写真、模型、装置その他の適当な物件(以下この条において「文書等」という。)を利用して証人に質問することができる。
2 前項の場合において、文書等が証拠調べをしていないものであるときは、当該質問の前に、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。ただし、相手方に異議がないときは、この限りでない。
3 裁判長は、調書への添付その他必要があると認めるときは、当事者に対し、文書等の写しの提出を求めることができる。
(異議・法第二百二条)
第百十七条 当事者は、第百十三条(尋問の順序)第二項及び第三項、第百十四条(質問の制限)第二項、第百十五条(質問の制限)第三項並びに前条(文書等の質問への利用)第一項の規定による裁判長の裁判に対し、異議を述べることができる。
2 前項の異議に対しては、裁判所は、決定で、直ちに裁判をしなければならない。
(対質)
第百十八条 裁判長は、必要があると認めるときは、証人と他の証人との対質を命ずることができる。
2 前項の規定により対質を命じたときは、その旨を調書に記載させなければならない。
3 対質を行うときは、裁判長がまず証人を尋問することができる。
(文字の筆記等)
第百十九条 裁判長は、必要があると認めるときは、証人に文字の筆記その他の必要な行為をさせることができる。
(後に尋問すべき証人の取扱い)
第百二十条 裁判長は、必要があると認めるときは、後に尋問すべき証人に在廷を許すことができる。
(傍聴人の退廷)
第百二十一条 裁判長は、証人が特定の傍聴人の面前(法第二百三条の三(遮へいの措置)第二項に規定する措置をとる場合及び法第二百四条(映像等の送受信による通話の方法による尋問)に規定する方法による場合を含む。)においては威圧され十分な陳述をすることができないと認めるときは、当事者の意見を聴いて、その証人が陳述する間、その傍聴人を退廷させることができる。
(平一九最裁規一七・一部改正)
(書面による質問又は回答の朗読・法第百五十四条)
第百二十二条 耳が聞こえない証人に書面で質問したとき、又は口がきけない証人に書面で答えさせたときは、裁判長は、裁判所書記官に質問又は回答を記載した書面を朗読させることができる。
(付添い・法第二百三条の二)
第百二十二条の二 裁判長は、法第二百三条の二(付添い)第一項に規定する措置をとるに当たっては、当事者及び証人の意見を聴かなければならない。
2 前項の措置をとったときは、その旨並びに証人に付き添った者の氏名及びその者と証人との関係を調書に記載しなければならない。
(平一九最裁規一七・追加)
(遮へいの措置・法第二百三条の三)
第百二十二条の三 裁判長は、法第二百三条の三(遮へいの措置)第一項又は第二項に規定する措置をとるに当たっては、当事者及び証人の意見を聴かなければならない。
2 前項の措置をとったときは、その旨を調書に記載しなければならない。
(平一九最裁規一七・追加)
(映像等の送受信による通話の方法による尋問・法第二百四条)
第百二十三条 法第二百四条(映像等の送受信による通話の方法による尋問)第一号に掲げる場合における同条に規定する方法による尋問は、当事者の意見を聴いて、当事者を受訴裁判所に出頭させ、証人を当該尋問に必要な装置の設置された他の裁判所に出頭させてする。
2 法第二百四条第二号に掲げる場合における同条に規定する方法による尋問は、当事者及び証人の意見を聴いて、当事者を受訴裁判所に出頭させ、証人を受訴裁判所又は当該尋問に必要な装置の設置された他の裁判所に出頭させてする。この場合において、証人を受訴裁判所に出頭させるときは、裁判長及び当事者が証人を尋問するために在席する場所以外の場所にその証人を在席させるものとする。
3 前二項の尋問をする場合には、文書の写しを送信してこれを提示することその他の尋問の実施に必要な処置を行うため、ファクシミリを利用することができる。
4 第一項又は第二項の尋問をしたときは、その旨及び証人が出頭した裁判所(当該裁判所が受訴裁判所である場合を除く。)を調書に記載しなければならない。
(平一九最裁規一七・一部改正)
(書面尋問・法第二百五条)
第百二十四条 法第二百五条(尋問に代わる書面の提出)の規定により証人の尋問に代えて書面の提出をさせる場合には、裁判所は、尋問の申出をした当事者の相手方に対し、当該書面において回答を希望する事項を記載した書面を提出させることができる。
2 裁判長は、証人が尋問に代わる書面の提出をすべき期間を定めることができる。
3 証人は、前項の書面に署名押印しなければならない。
(受命裁判官等の権限・法第二百六条)
第百二十五条 受命裁判官又は受託裁判官が証人尋問をする場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。
第三節 当事者尋問
(対質)
第百二十六条 裁判長は、必要があると認めるときは、当事者本人と、他の当事者本人又は証人との対質を命ずることができる。
(証人尋問の規定の準用・法第二百十条)
第百二十七条 前節(証人尋問)の規定は、特別の定めがある場合を除き、当事者本人の尋問について準用する。ただし、第百十一条(勾引)、第百二十条(後に尋問すべき証人の取扱い)及び第百二十四条(書面尋問)の規定は、この限りでない。
(法定代理人の尋問・法第二百十一条)
第百二十八条 この規則中当事者本人の尋問に関する規定は、訴訟において当事者を代表する法定代理人について準用する。
第四節 鑑定
(鑑定事項)
第百二十九条 鑑定の申出をするときは、同時に、鑑定を求める事項を記載した書面を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2 前項の申出をする当事者は、同項の書面について直送をしなければならない。
3 相手方は、第一項の書面について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
4 裁判所は、第一項の書面に基づき、前項の意見も考慮して、鑑定事項を定める。この場合においては、鑑定事項を記載した書面を鑑定人に送付しなければならない。
(鑑定のために必要な事項についての協議)
第百二十九条の二 裁判所は、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日又は進行協議期日において、鑑定事項の内容、鑑定に必要な資料その他鑑定のために必要な事項について、当事者及び鑑定人と協議をすることができる。書面による準備手続においても、同様とする。
(平一五最裁規一九・追加)
(忌避の申立ての方式・法第二百十四条)
第百三十条 鑑定人に対する忌避の申立ては、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2 忌避の原因は、疎明しなければならない。
(宣誓の方式)
第百三十一条 宣誓書には、良心に従って誠実に鑑定をすることを誓う旨を記載しなければならない。
2 鑑定人の宣誓は、宣誓書を裁判所に提出する方式によってもさせることができる。この場合における裁判長による宣誓の趣旨の説明及び虚偽鑑定の罰の告知は、これらの事項を記載した書面を鑑定人に送付する方法によって行う。
(鑑定人の陳述の方式・法第二百十五条)
第百三十二条 裁判長は、鑑定人に、共同して又は各別に、意見を述べさせることができる。
2 裁判長は、鑑定人に書面で意見を述べさせる場合には、鑑定人の意見を聴いて、当該書面を提出すべき期間を定めることができる。
(平一五最裁規一九・一部改正)
(鑑定人に更に意見を求める事項・法第二百十五条)
第百三十二条の二 法第二百十五条(鑑定人の陳述の方式等)第二項の申立てをするときは、同時に、鑑定人に更に意見を求める事項を記載した書面を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2 裁判所は、職権で鑑定人に更に意見を述べさせるときは、当事者に対し、あらかじめ、鑑定人に更に意見を求める事項を記載した書面を提出させることができる。
3 前二項の書面を提出する当事者は、これらの書面について直送をしなければならない。
4 相手方は、第一項又は第二項の書面について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
5 裁判所は、第一項又は第二項の書面の内容及び前項の意見を考慮して、鑑定人に更に意見を求める事項を定める。この場合においては、当該事項を記載した書面を鑑定人に送付しなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(質問の順序・法第二百十五条の二)
第百三十二条の三 裁判長は、法第二百十五条の二(鑑定人質問)第二項及び第三項の規定によるほか、必要があると認めるときは、いつでも、自ら鑑定人に対し質問をし、又は当事者の質問を許すことができる。
2 陪席裁判官は、裁判長に告げて、鑑定人に対し質問をすることができる。
3 当事者の鑑定人に対する質問は、次の順序による。ただし、当事者双方が鑑定の申出をした場合における当事者の質問の順序は、裁判長が定める。
一 鑑定の申出をした当事者の質問
二 相手方の質問
三 鑑定の申出をした当事者の再度の質問
4 当事者は、裁判長の許可を得て、更に質問をすることができる。
(平一五最裁規一九・追加)
(質問の制限・法第二百十五条の二)
第百三十二条の四 鑑定人に対する質問は、鑑定人の意見の内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するために必要な事項について行うものとする。
2 質問は、できる限り、具体的にしなければならない。
3 当事者は、次に掲げる質問をしてはならない。ただし、第二号及び第三号に掲げる質問については、正当な理由がある場合は、この限りでない。
一 鑑定人を侮辱し、又は困惑させる質問
二 誘導質問
三 既にした質問と重複する質問
四 第一項に規定する事項に関係のない質問
4 裁判長は、質問が前項の規定に違反するものであると認めるときは、申立てにより又は職権で、これを制限することができる。
(平一五最裁規一九・追加)
(映像等の送受信による通話の方法による陳述・法第二百十五条の三)
第百三十二条の五 法第二百十五条の三(映像等の送受信による通話の方法による陳述)に規定する方法によって鑑定人に意見を述べさせるときは、当事者の意見を聴いて、当事者を受訴裁判所に出頭させ、鑑定人を当該手続に必要な装置の設置された場所であって裁判所が相当と認める場所に出頭させてこれをする。
2 前項の場合には、文書の写しを送信してこれを提示することその他の手続の実施に必要な処置を行うため、ファクシミリを利用することができる。
3 第一項の方法によって鑑定人に意見を述べさせたときは、その旨及び鑑定人が出頭した場所を調書に記載しなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(鑑定人の発問等)
第百三十三条 鑑定人は、鑑定のため必要があるときは、審理に立ち会い、裁判長に証人若しくは当事者本人に対する尋問を求め、又は裁判長の許可を得て、これらの者に対し直接に問いを発することができる。
(異議・法第二百十五条の二)
第百三十三条の二 当事者は、第百三十二条の三(質問の順序)第一項、第三項ただし書及び第四項、第百三十二条の四(質問の制限)第四項、前条(鑑定人の発問等)並びに第百三十四条(証人尋問の規定の準用)において準用する第百十六条(文書等の質問への利用)第一項の規定による裁判長の裁判に対し、異議を述べることができる。
2 前項の異議に対しては、裁判所は、決定で、直ちに裁判をしなければならない。
(平一五最裁規一九・追加)
(証人尋問の規定の準用・法第二百十六条)
第百三十四条 第百八条(呼出状の記載事項等)の規定は鑑定人の呼出状について、第百十条(不出頭の届出)の規定は鑑定人に期日に出頭することができない事由が生じた場合について、第百十二条(宣誓)第二項から第四項まで及び第六項の規定は鑑定人に宣誓をさせる場合について、第百十六条(文書等の質問への利用)、第百十八条(対質)、第百十九条(文字の筆記等)、第百二十一条(傍聴人の退廷)及び第百二十二条(書面による質問又は回答の朗読)の規定は鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合について、第百二十五条(受命裁判官等の権限)の規定は受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合について準用する。
(平一五最裁規一九・全改、令四最裁規一七・一部改正)
(鑑定証人・法第二百十七条)
第百三十五条 鑑定証人の尋問については、証人尋問に関する規定を適用する。
(鑑定の嘱託への準用・法第二百十八条)
第百三十六条 この節の規定は、宣誓に関する規定を除き、鑑定の嘱託について準用する。
第五節 書証
(書証の申出等・法第二百十九条)
第百三十七条 文書を提出して書証の申出をするときは、当該申出をする時までに、その写し二通(当該文書を送付すべき相手方の数が二以上であるときは、その数に一を加えた通数)を提出するとともに、文書の記載から明らかな場合を除き、文書の標目、作成者及び立証趣旨を明らかにした証拠説明書二通(当該書面を送付すべき相手方の数が二以上であるときは、その数に一を加えた通数)を提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、裁判長の定める期間内に提出すれば足りる。
2 前項の申出をする当事者は、相手方に送付すべき文書の写し及びその文書に係る証拠説明書について直送をすることができる。
(訳文の添付等)
第百三十八条 外国語で作成された文書を提出して書証の申出をするときは、取調べを求める部分についてその文書の訳文を添付しなければならない。この場合において、前条(書証の申出等)第二項の規定による直送をするときは、同時に、その訳文についても直送をしなければならない。
2 相手方は、前項の訳文の正確性について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
(書証の写しの提出期間・法第百六十二条)
第百三十九条 法第百六十二条(準備書面等の提出期間)の規定により、裁判長が特定の事項に関する書証の申出(文書を提出してするものに限る。)をすべき期間を定めたときは、当事者は、その期間が満了する前に、書証の写しを提出しなければならない。
(文書提出命令の申立ての方式等・法第二百二十一条等)
第百四十条 文書提出命令の申立ては、書面でしなければならない。
2 相手方は、前項の申立てについて意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
3 第九十九条(証拠の申出)第二項及び前二項の規定は、法第二百二十二条(文書の特定のための手続)第一項の規定による申出について準用する。
(提示文書の保管・法第二百二十三条)
第百四十一条 裁判所は、必要があると認めるときは、法第二百二十三条(文書提出命令等)第六項前段の規定により提示された文書を一時保管することができる。
(平一三最裁規八・一部改正)
(受命裁判官等の証拠調べの調書)
第百四十二条 受命裁判官又は受託裁判官に文書の証拠調べをさせる場合には、裁判所は、当該証拠調べについての調書に記載すべき事項を定めることができる。
2 受命裁判官又は受託裁判官の所属する裁判所の裁判所書記官は、前項の調書に同項の文書の写しを添付することができる。
(文書の提出等の方法)
第百四十三条 文書の提出又は送付は、原本、正本又は認証のある謄本でしなければならない。
2 裁判所は、前項の規定にかかわらず、原本の提出を命じ、又は送付をさせることができる。
(録音テープ等の反訳文書の書証の申出があった場合の取扱い)
第百四十四条 録音テープ等を反訳した文書を提出して書証の申出をした当事者は、相手方がその録音テープ等の複製物の交付を求めたときは、相手方にこれを交付しなければならない。
(文書の成立を否認する場合における理由の明示)
第百四十五条 文書の成立を否認するときは、その理由を明らかにしなければならない。
(筆跡等の対照の用に供すべき文書等に係る調書等・法第二百二十九条)
第百四十六条 法第二百二十九条(筆跡等の対照による証明)第一項に規定する筆跡又は印影の対照の用に供した書類の原本、謄本又は抄本は、調書に添付しなければならない。
2 第百四十一条(提示文書の保管)の規定は、法第二百二十九条第二項において準用する法第二百二十三条(文書提出命令等)第一項の規定による文書その他の物件の提出について、第百四十二条(受命裁判官等の証拠調べの調書)の規定は、法第二百二十九条第二項において準用する法第二百十九条(書証の申出)、第二百二十三条第一項及び第二百二十六条(文書送付の嘱託)の規定により提出され、又は送付された文書その他の物件の取調べを受命裁判官又は受託裁判官にさせる場合における調書について準用する。
(文書に準ずる物件への準用・法第二百三十一条)
第百四十七条 第百三十七条から前条まで(書証の申出等、訳文の添付等、書証の写しの提出期間、文書提出命令の申立ての方式等、提示文書の保管、受命裁判官等の証拠調べの調書、文書の提出等の方法、録音テープ等の反訳文書の書証の申出があった場合の取扱い、文書の成立を否認する場合における理由の明示及び筆跡等の対照の用に供すべき文書等に係る調書等)の規定は、特別の定めがある場合を除き、法第二百三十一条(文書に準ずる物件への準用)に規定する物件について準用する。
(写真等の証拠説明書の記載事項)
第百四十八条 写真又は録音テープ等の証拠調べの申出をするときは、その証拠説明書において、撮影、録音、録画等の対象並びにその日時及び場所をも明らかにしなければならない。
(録音テープ等の内容を説明した書面の提出等)
第百四十九条 録音テープ等の証拠調べの申出をした当事者は、裁判所又は相手方の求めがあるときは、当該録音テープ等の内容を説明した書面(当該録音テープ等を反訳した書面を含む。)を提出しなければならない。
2 前項の当事者は、同項の書面について直送をしなければならない。
3 相手方は、第一項の書面における説明の内容について意見があるときは、意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。
第六節 検証
(検証の申出の方式)
第百五十条 検証の申出は、検証の目的を表示してしなければならない。
(検証の目的の提示等・法第二百三十二条)
第百五十一条 第百四十一条(提示文書の保管)の規定は、検証の目的の提示について、第百四十二条(受命裁判官等の証拠調べの調書)の規定は、提示又は送付に係る検証の目的の検証を受命裁判官又は受託裁判官にさせる場合における調書について準用する。
第七節 証拠保全
(証拠保全の手続における証拠調べ・法第二百三十四条)
第百五十二条 証拠保全の手続における証拠調べについては、この章の規定を適用する。
(証拠保全の申立ての方式・法第二百三十五条)
第百五十三条 証拠保全の申立ては、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 相手方の表示
二 証明すべき事実
三 証拠
四 証拠保全の事由
3 証拠保全の事由は、疎明しなければならない。
(証拠保全の記録の送付)
第百五十四条 証拠保全のための証拠調べが行われた場合には、その証拠調べを行った裁判所の裁判所書記官は、本案の訴訟記録の存する裁判所の裁判所書記官に対し、証拠調べに関する記録を送付しなければならない。
第四章 判決
(言渡しの方式・法第二百五十二条等)
第百五十五条 判決の言渡しは、裁判長が主文を朗読してする。
2 裁判長は、相当と認めるときは、判決の理由を朗読し、又は口頭でその要領を告げることができる。
3 前二項の規定にかかわらず、法第二百五十四条(言渡しの方式の特則)第一項の規定による判決の言渡しは、裁判長が主文及び理由の要旨を告げてする。
(言渡期日の通知・法第二百五十一条)
第百五十六条 判決の言渡期日の日時は、あらかじめ、裁判所書記官が当事者に通知するものとする。ただし、その日時を期日において告知した場合又はその不備を補正することができない不適法な訴えを口頭弁論を経ないで却下する場合は、この限りでない。
(判決書・法第二百五十三条)
第百五十七条 判決書には、判決をした裁判官が署名押印しなければならない。
2 合議体の裁判官が判決書に署名押印することに支障があるときは、他の裁判官が判決書にその事由を付記して署名押印しなければならない。
(裁判所書記官への交付等)
第百五十八条 判決書は、言渡し後遅滞なく、裁判所書記官に交付し、裁判所書記官は、これに言渡し及び交付の日を付記して押印しなければならない。
(判決書等の送達・法第二百五十五条)
第百五十九条 判決書又は法第二百五十四条(言渡しの方式の特則)第二項(法第三百七十四条(判決の言渡し)第二項において準用する場合を含む。)の調書(以下「判決書に代わる調書」という。)の送達は、裁判所書記官が判決書の交付を受けた日又は判決言渡しの日から二週間以内にしなければならない。
2 判決書に代わる調書の送達は、その正本によってすることができる。
(更正決定等の方式・法第二百五十七条等)
第百六十条 更正決定は、判決書の原本及び正本に付記しなければならない。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、判決書の原本及び正本への付記に代えて、決定書を作成し、その正本を当事者に送達することができる。
2 前項の規定は、法第二百五十九条(仮執行の宣言)第五項の規定による補充の決定について準用する。
(法第二百五十八条第二項の申立ての方式)
第百六十一条 訴訟費用の負担の裁判を脱漏した場合における訴訟費用の負担の裁判を求める申立ては、書面でしなければならない。
第五章 裁判によらない訴訟の完結
(訴えの取下げがあった場合の取扱い・法第二百六十一条)
第百六十二条 訴えの取下げの書面の送達は、取下げをした者から提出された副本によってする。
2 訴えの取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、訴えの取下げがあった旨を相手方に通知しなければならない。
(和解条項案の書面による受諾・法第二百六十四条)
第百六十三条 法第二百六十四条(和解条項案の書面による受諾)の規定に基づき裁判所等が和解条項案を提示するときは、書面に記載してしなければならない。この書面には、同条に規定する効果を付記するものとする。
2 前項の場合において、和解条項案を受諾する旨の書面の提出があったときは、裁判所等は、その書面を提出した当事者の真意を確認しなければならない。
3 法第二百六十四条の規定により当事者間に和解が調ったものとみなされたときは、裁判所書記官は、当該和解を調書に記載しなければならない。この場合において、裁判所書記官は、和解条項案を受諾する旨の書面を提出した当事者に対し、遅滞なく、和解が調ったものとみなされた旨を通知しなければならない。
(令四最裁規一七・一部改正)
(裁判所等が定める和解条項・法第二百六十五条)
第百六十四条 裁判所等は、法第二百六十五条(裁判所等が定める和解条項)第一項の規定により和解条項を定めようとするときは、当事者の意見を聴かなければならない。
2 法第二百六十五条第五項の規定により当事者間に和解が調ったものとみなされたときは、裁判所書記官は、当該和解を調書に記載しなければならない。
3 前項に規定する場合において、和解条項の定めを期日における告知以外の方法による告知によってしたときは、裁判所等は、裁判所書記官に調書を作成させるものとする。この場合においては、告知がされた旨及び告知の方法をも調書に記載しなければならない。
第六章 削除
(平二七最裁規六)
第百六十五条から第百六十七条まで 削除
(平二七最裁規六)
第七章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則
(反訴の提起に基づく移送による記録の送付・法第二百七十四条)
第百六十八条 第九条(移送による記録の送付)の規定は、法第二百七十四条(反訴の提起に基づく移送)第一項の規定による移送の裁判が確定した場合について準用する。
(訴え提起前の和解の調書・法第二百七十五条)
第百六十九条 訴え提起前の和解が調ったときは、裁判所書記官は、これを調書に記載しなければならない。
(証人等の陳述の調書記載の省略等)
第百七十条 簡易裁判所における口頭弁論の調書については、裁判官の許可を得て、証人等の陳述又は検証の結果の記載を省略することができる。この場合において、当事者は、裁判官が許可をする際に、意見を述べることができる。
2 前項の規定により調書の記載を省略する場合において、裁判官の命令又は当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当事者の裁判上の利用に供するため、録音テープ等に証人等の陳述又は検証の結果を記録しなければならない。この場合において、当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当該録音テープ等の複製を許さなければならない。
(書面尋問・法第二百七十八条)
第百七十一条 第百二十四条(書面尋問)の規定は、法第二百七十八条(尋問等に代わる書面の提出)の規定により証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代えて書面の提出をさせる場合について準用する。
(平一七最裁規一・一部改正)
(司法委員の発問)
第百七十二条 裁判官は、必要があると認めるときは、司法委員が証人等に対し直接に問いを発することを許すことができる。
第三編 上訴
第一章 控訴
(控訴権の放棄・法第二百八十四条)
第百七十三条 控訴をする権利の放棄は、控訴の提起前にあっては第一審裁判所、控訴の提起後にあっては訴訟記録の存する裁判所に対する申述によってしなければならない。
2 控訴の提起後における前項の申述は、控訴の取下げとともにしなければならない。
3 第一項の申述があったときは、裁判所書記官は、その旨を相手方に通知しなければならない。
(控訴提起による事件送付)
第百七十四条 控訴の提起があった場合には、第一審裁判所は、控訴却下の決定をしたときを除き、遅滞なく、事件を控訴裁判所に送付しなければならない。
2 前項の規定による事件の送付は、第一審裁判所の裁判所書記官が、控訴裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付してしなければならない。
(平二七最裁規六・全改)
(攻撃防御方法を記載した控訴状)
第百七十五条 攻撃又は防御の方法を記載した控訴状は、準備書面を兼ねるものとする。
(控訴状却下命令に対する即時抗告・法第二百八十八条等)
第百七十六条 第五十七条(訴状却下命令に対する即時抗告)の規定は、控訴状却下の命令に対し即時抗告をする場合について準用する。
(控訴の取下げ・法第二百九十二条)
第百七十七条 控訴の取下げは、訴訟記録の存する裁判所にしなければならない。
2 控訴の取下げがあったときは、裁判所書記官は、その旨を相手方に通知しなければならない。
(附帯控訴・法第二百九十三条)
第百七十八条 附帯控訴については、控訴に関する規定を準用する。
(第一審の訴訟手続の規定の準用・法第二百九十七条)
第百七十九条 前編(第一審の訴訟手続)第一章から第五章まで(訴え、口頭弁論及びその準備、証拠、判決並びに裁判によらない訴訟の完結)の規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。
(平二七最裁規六・一部改正)
(法第百六十七条の規定による説明等の規定の準用・法第二百九十八条)
第百八十条 第八十七条(法第百六十七条の規定による当事者の説明の方式)の規定は、法第二百九十八条(第一審の訴訟行為の効力等)第二項において準用する法第百六十七条(準備的口頭弁論終了後の攻撃防御方法の提出)の規定による当事者の説明について、第九十四条(法第百七十八条の規定による当事者の説明の方式)の規定は、法第二百九十八条第二項において準用する法第百七十八条(書面による準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)の規定による当事者の説明について準用する。
(攻撃防御方法の提出等の期間・法第三百一条)
第百八十一条 第百三十九条(書証の写しの提出期間)の規定は、法第三百一条(攻撃防御方法の提出等の期間)第一項の規定により裁判長が書証の申出(文書を提出してするものに限る。)をすべき期間を定めたときについて、第八十七条(法第百六十七条の規定による当事者の説明の方式)第一項の規定は、法第三百一条第二項の規定による当事者の説明について準用する。
(第一審判決の取消し事由等を記載した書面)
第百八十二条 控訴状に第一審判決の取消し又は変更を求める事由の具体的な記載がないときは、控訴人は、控訴の提起後五十日以内に、これらを記載した書面を控訴裁判所に提出しなければならない。
(反論書)
第百八十三条 裁判長は、被控訴人に対し、相当の期間を定めて、控訴人が主張する第一審判決の取消し又は変更を求める事由に対する被控訴人の主張を記載した書面の提出を命ずることができる。
(第一審の判決書等の引用)
第百八十四条 控訴審の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由の記載は、第一審の判決書又は判決書に代わる調書を引用してすることができる。
(第一審裁判所への記録の送付)
第百八十五条 控訴審において訴訟が完結したときは、控訴裁判所の裁判所書記官は、第一審裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第二章 上告
(控訴の規定の準用・法第三百十三条)
第百八十六条 前章(控訴)の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。
(上告提起の場合における費用の予納)
第百八十七条 上告を提起するときは、上告状の送達に必要な費用のほか、上告提起通知書、上告理由書及び裁判書の送達並びに上告裁判所が訴訟記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。
(上告提起と上告受理申立てを一通の書面でする場合の取扱い)
第百八十八条 上告の提起と上告受理の申立てを一通の書面でするときは、その書面が上告状と上告受理申立書を兼ねるものであることを明らかにしなければならない。この場合において、上告の理由及び上告受理の申立ての理由をその書面に記載するときは、これらを区別して記載しなければならない。
(上告提起通知書の送達等)
第百八十九条 上告の提起があった場合においては、上告状却下の命令又は法第三百十六条(原裁判所による上告の却下)第一項第一号の規定による上告却下の決定があったときを除き、当事者に上告提起通知書を送達しなければならない。
2 前項の規定により被上告人に上告提起通知書を送達するときは、同時に、上告状を送達しなければならない。
3 原裁判所の判決書又は判決書に代わる調書の送達前に上告の提起があったときは、第一項の規定による上告提起通知書の送達は、判決書又は判決書に代わる調書とともにしなければならない。
(法第三百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式・法第三百十五条)
第百九十条 判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とする上告の場合における上告の理由の記載は、憲法の条項を掲記し、憲法に違反する事由を示してしなければならない。この場合において、その事由が訴訟手続に関するものであるときは、憲法に違反する事実を掲記しなければならない。
2 法第三百十二条(上告の理由)第二項各号に掲げる事由があることを理由とする上告の場合における上告の理由の記載は、その条項及びこれに該当する事実を示してしなければならない。
(法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式・法第三百十五条)
第百九十一条 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とする上告の場合における上告の理由の記載は、法令及びこれに違反する事由を示してしなければならない。
2 前項の規定により法令を示すには、その法令の条項又は内容(成文法以外の法令については、その趣旨)を掲記しなければならない。
3 第一項の規定により法令に違反する事由を示す場合において、その法令が訴訟手続に関するものであるときは、これに違反する事実を掲記しなければならない。
(判例の摘示)
第百九十二条 前二条(法第三百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式並びに法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式)に規定する上告において、判決が最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断をしたことを主張するときは、その判例を具体的に示さなければならない。
(上告理由の記載の仕方)
第百九十三条 上告の理由は、具体的に記載しなければならない。
(上告理由書の提出期間・法第三百十五条)
第百九十四条 上告理由書の提出の期間は、上告人が第百八十九条(上告提起通知書の送達等)第一項の規定による上告提起通知書の送達を受けた日から五十日とする。
(上告理由を記載した書面の通数)
第百九十五条 上告の理由を記載した書面には、上告裁判所が最高裁判所であるときは被上告人の数に六を加えた数の副本、上告裁判所が高等裁判所であるときは被上告人の数に四を加えた数の副本を添付しなければならない。
(補正命令・法第三百十六条)
第百九十六条 上告状又は第百九十四条(上告理由書の提出期間)の期間内に提出した上告理由書における上告のすべての理由の記載が第百九十条(法第三百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式)又は第百九十一条(法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式)の規定に違反することが明らかなときは、原裁判所は、決定で、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
2 法第三百十六条(原裁判所による上告の却下)第一項第二号の規定による上告却下の決定(上告の理由の記載が法第三百十五条(上告の理由の記載)第二項の規定に違反していることが明らかであることを理由とするものに限る。)は、前項の規定により定めた期間内に上告人が不備の補正をしないときにするものとする。
(上告裁判所への事件送付)
第百九十七条 原裁判所は、上告状却下の命令又は上告却下の決定があった場合を除き、事件を上告裁判所に送付しなければならない。この場合において、原裁判所は、上告人が上告の理由中に示した訴訟手続に関する事実の有無について意見を付することができる。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、上告裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付してしなければならない。
3 上告裁判所の裁判所書記官は、前項の規定による訴訟記録の送付を受けたときは、速やかに、その旨を当事者に通知しなければならない。
(上告理由書の送達)
第百九十八条 上告裁判所が原裁判所から事件の送付を受けた場合において、法第三百十七条(上告裁判所による上告の却下等)第一項の規定による上告却下の決定又は同条第二項の規定による上告棄却の決定をしないときは、被上告人に上告理由書の副本を送達しなければならない。ただし、上告裁判所が口頭弁論を経ないで審理及び裁判をする場合において、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
(上告受理の申立て・法第三百十八条)
第百九十九条 上告受理の申立ての理由の記載は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断があることその他の法令の解釈に関する重要な事項を含むことを示してしなければならない。この場合においては、第百九十一条(法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式)第二項及び第三項の規定を準用する。
2 第百八十六条(控訴の規定の準用)、第百八十七条(上告提起の場合における費用の予納)、第百八十九条(上告提起通知書の送達等)及び第百九十二条から前条まで(判例の摘示、上告理由の記載の仕方、上告理由書の提出期間、上告理由を記載した書面の通数、補正命令、上告裁判所への事件送付及び上告理由書の送達)の規定は、上告受理の申立てについて準用する。この場合において、第百八十七条、第百八十九条及び第百九十四条中「上告提起通知書」とあるのは「上告受理申立て通知書」と、第百八十九条第二項、第百九十五条及び前条中「被上告人」とあるのは「相手方」と、第百九十六条第一項中「第百九十条(法第三百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式)又は第百九十一条(法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「第百九十九条(上告受理の申立て)第一項」と読み替えるものとする。
(上告受理の決定・法第三百十八条)
第二百条 最高裁判所は、上告審として事件を受理する決定をするときは、当該決定において、上告受理の申立ての理由中法第三百十八条(上告受理の申立て)第三項の規定により排除するものを明らかにしなければならない。
(答弁書提出命令)
第二百一条 上告裁判所又は上告受理の申立てがあった場合における最高裁判所の裁判長は、相当の期間を定めて、答弁書を提出すべきことを被上告人又は相手方に命ずることができる。
(差戻し等の判決があった場合の記録の送付・法第三百二十五条)
第二百二条 差戻し又は移送の判決があったときは、上告裁判所の裁判所書記官は、差戻し又は移送を受けた裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
(最高裁判所への移送・法第三百二十四条)
第二百三条 法第三百二十四条(最高裁判所への移送)の規定により、上告裁判所である高等裁判所が事件を最高裁判所に移送する場合は、憲法その他の法令の解釈について、その高等裁判所の意見が最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反するときとする。
(特別上告・法第三百二十七条等)
第二百四条 法第三百二十七条(特別上告)第一項(法第三百八十条(異議後の判決に対する不服申立て)第二項において準用する場合を含む。)の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
第三章 抗告
(控訴又は上告の規定の準用・法第三百三十一条)
第二百五条 抗告及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第一章(控訴)の規定を準用する。ただし、法第三百三十条(再抗告)の抗告及びこれに関する訴訟手続には、前章(上告)の規定中第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
(抗告裁判所への事件送付)
第二百六条 抗告を理由がないと認めるときは、原裁判所は、意見を付して事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
(原裁判の取消し事由等を記載した書面)
第二百七条 法第三百三十条(再抗告)の抗告以外の抗告をする場合において、抗告状に原裁判の取消し又は変更を求める事由の具体的な記載がないときは、抗告人は、抗告の提起後十四日以内に、これらを記載した書面を原裁判所に提出しなければならない。
(抗告状の写しの送付等)
第二百七条の二 法第三百三十条(再抗告)の抗告以外の抗告があったときは、抗告裁判所は、相手方に対し、抗告状の写しを送付するものとする。ただし、その抗告が不適法であるとき、抗告に理由がないと認めるとき、又は抗告状の写しを送付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。
2 前項の規定により相手方に抗告状の写しを送付するときは、同時に、前条の書面(抗告の提起後十四日以内に提出されたものに限る。)の写しを送付するものとする。
(平二七最裁規六・追加)
(特別抗告・法第三百三十六条)
第二百八条 法第三百三十六条(特別抗告)第一項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、法第三百二十七条(特別上告)第一項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
(許可抗告・法第三百三十七条)
第二百九条 第百八十六条(控訴の規定の準用)、第百八十七条(上告提起の場合における費用の予納)、第百八十九条(上告提起通知書の送達等)、第百九十二条(判例の摘示)、第百九十三条(上告理由の記載の仕方)、第百九十五条(上告理由を記載した書面の通数)、第百九十六条(補正命令)及び第百九十九条(上告受理の申立て)第一項の規定は、法第三百三十七条(許可抗告)第二項の申立てについて、第二百条(上告受理の決定)の規定は、法第三百三十七条第二項の規定による許可をする場合について、前条(特別抗告)の規定は、法第三百三十七条第二項の規定による許可があった場合について準用する。この場合において、第百八十七条及び第百八十九条中「上告提起通知書」とあるのは、「抗告許可申立て通知書」と読み替えるものとする。
(再抗告等の抗告理由書の提出期間)
第二百十条 法第三百三十条(再抗告)の抗告及び法第三百三十六条(特別抗告)第一項の抗告においては、抗告理由書の提出の期間は、抗告人が第二百五条(控訴又は上告の規定の準用)ただし書及び第二百八条(特別抗告)において準用する第百八十九条(上告提起通知書の送達等)第一項の規定による抗告提起通知書の送達を受けた日から十四日とする。
2 前項の規定は、法第三百三十七条(許可抗告)第二項の申立てに係る理由書の提出の期間について準用する。この場合において、前項中「抗告提起通知書」とあるのは、「抗告許可申立て通知書」と読み替えるものとする。
第四編 再審
(再審の訴訟手続・法第三百四十一条)
第二百十一条 再審の訴状には、不服の申立てに係る判決の写しを添付しなければならない。
2 前項に規定するほか、再審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、各審級における訴訟手続に関する規定を準用する。
(決定又は命令に対する再審・法第三百四十九条)
第二百十二条 前条(再審の訴訟手続)の規定は、法第三百四十九条(決定又は命令に対する再審)第一項の再審の申立てについて準用する。
第五編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則
(最初の口頭弁論期日の指定等)
第二百十三条 手形訴訟による訴えが提起されたときは、裁判長は、直ちに、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。
2 当事者に対する前項の期日の呼出状には、期日前にあらかじめ主張、証拠の申出及び証拠調べに必要な準備をすべき旨を記載しなければならない。
3 被告に対する呼出状には、前項に規定する事項のほか、裁判長の定める期間内に答弁書を提出すべき旨及び法第三百五十四条(口頭弁論の終結)の規定の趣旨を記載しなければならない。
(一期日審理の原則)
第二百十四条 手形訴訟においては、やむを得ない事由がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。
(期日の変更又は弁論の続行)
第二百十五条 口頭弁論の期日を変更し、又は弁論を続行するときは、次の期日は、やむを得ない事由がある場合を除き、前の期日から十五日以内の日に指定しなければならない。
(手形判決の表示)
第二百十六条 手形訴訟の判決書又は判決書に代わる調書には、手形判決と表示しなければならない。
(異議申立ての方式等・法第三百五十七条)
第二百十七条 異議の申立ては、書面でしなければならない。
2 裁判所は、前項の書面を相手方に送付しなければならない。
3 法第百六十一条(準備書面)第二項に掲げる事項を記載した第一項の書面は、準備書面を兼ねるものとする。
(異議申立権の放棄及び異議の取下げ・法第三百五十八条等)
第二百十八条 異議を申し立てる権利の放棄は、裁判所に対する申述によってしなければならない。
2 前項の申述があったときは、裁判所書記官は、その旨を相手方に通知しなければならない。
3 第百六十二条(訴えの取下げがあった場合の取扱い)第一項の規定は、異議の取下げの書面の送達について準用する。
(手形訴訟の判決書等の引用)
第二百十九条 異議後の訴訟の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由の記載は、手形訴訟の判決書又は判決書に代わる調書を引用してすることができる。
(督促手続から手形訴訟への移行・法第三百六十六条)
第二百二十条 手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述をして支払督促の申立てをするときは、同時に、手形の写し二通(債務者の数が二以上であるときは、その数に一を加えた通数)を提出しなければならない。
2 前項の規定により提出された手形の写しは、債務者に送達すべき支払督促に添付しなければならない。
3 第一項に規定する場合には、支払督促に同項の申述があった旨を付記しなければならない。
(小切手訴訟・法第三百六十七条)
第二百二十一条 この編の規定は、小切手訴訟に関して準用する。
第六編 少額訴訟に関する特則
(手続の教示)
第二百二十二条 裁判所書記官は、当事者に対し、少額訴訟における最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しの際に、少額訴訟による審理及び裁判の手続の内容を説明した書面を交付しなければならない。
2 裁判官は、前項の期日の冒頭において、当事者に対し、次に掲げる事項を説明しなければならない。
一 証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができること。
二 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができるが、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでないこと。
三 少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は判決書に代わる調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができること。
(少額訴訟を求め得る回数・法第三百六十八条)
第二百二十三条 法第三百六十八条(少額訴訟の要件等)第一項ただし書の最高裁判所規則で定める回数は、十回とする。
(当事者本人の出頭命令)
第二百二十四条 裁判所は、訴訟代理人が選任されている場合であっても、当事者本人又はその法定代理人の出頭を命ずることができる。
(証人尋問の申出)
第二百二十五条 証人尋問の申出をするときは、尋問事項書を提出することを要しない。
(音声の送受信による通話の方法による証人尋問・法第三百七十二条)
第二百二十六条 裁判所及び当事者双方と証人とが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法による証人尋問は、当事者の申出があるときにすることができる。
2 前項の申出は、通話先の電話番号及びその場所を明らかにしてしなければならない。
3 裁判所は、前項の場所が相当でないと認めるときは、第一項の申出をした当事者に対し、その変更を命ずることができる。
4 第一項の尋問をする場合には、文書の写しを送信してこれを提示することその他の尋問の実施に必要な処置を行うため、ファクシミリを利用することができる。
5 第一項の尋問をしたときは、その旨、通話先の電話番号及びその場所を調書に記載しなければならない。
6 第八十八条(弁論準備手続調書等)第二項の規定は、第一項の尋問をする場合について準用する。
(証人等の陳述の調書記載等)
第二百二十七条 調書には、証人等の陳述を記載することを要しない。
2 証人の尋問前又は鑑定人の口頭による意見の陳述前に裁判官の命令又は当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当事者の裁判上の利用に供するため、録音テープ等に証人又は鑑定人の陳述を記録しなければならない。この場合において、当事者の申出があるときは、裁判所書記官は、当該録音テープ等の複製を許さなければならない。
(平一七最裁規一・一部改正)
(通常の手続への移行・法第三百七十三条)
第二百二十八条 被告の通常の手続に移行させる旨の申述は、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2 前項の申述があったときは、裁判所書記官は、速やかに、その申述により訴訟が通常の手続に移行した旨を原告に通知しなければならない。ただし、その申述が原告の出頭した期日においてされたときは、この限りでない。
3 裁判所が訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしたときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を当事者に通知しなければならない。
(判決・法第三百七十四条)
第二百二十九条 少額訴訟の判決書又は判決書に代わる調書には、少額訴訟判決と表示しなければならない。
2 第百五十五条(言渡しの方式)第三項の規定は、少額訴訟における原本に基づかないでする判決の言渡しをする場合について準用する。
(異議申立ての方式等・法第三百七十八条)
第二百三十条 第二百十七条(異議申立ての方式等)及び第二百十八条(異議申立権の放棄及び異議の取下げ)の規定は、少額訴訟の終局判決に対する異議について準用する。
(異議後の訴訟の判決書等)
第二百三十一条 異議後の訴訟の判決書又は判決書に代わる調書には、少額異議判決と表示しなければならない。
2 第二百十九条(手形訴訟の判決書等の引用)の規定は、異議後の訴訟の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由の記載について準用する。
第七編 督促手続
(訴えに関する規定の準用・法第三百八十四条)
第二百三十二条 支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。
(支払督促の原本・法第三百八十七条)
第二百三十三条 支払督促の原本には、これを発した裁判所書記官が記名押印しなければならない。
(支払督促の送達等・法第三百八十八条)
第二百三十四条 支払督促の債務者に対する送達は、その正本によってする。
2 裁判所書記官は、支払督促を発したときは、その旨を債権者に通知しなければならない。
(仮執行の宣言の申立て等・法第三百九十一条)
第二百三十五条 仮執行の宣言の申立ては、手続の費用額を明らかにしてしなければならない。
2 法第三百九十一条(仮執行の宣言)第二項ただし書に規定する債権者の同意は、仮執行の宣言の申立ての時にするものとする。
(平一七最裁規一・一部改正)
(仮執行の宣言の方式等・法第三百九十一条)
第二百三十六条 仮執行の宣言は、支払督促の原本に記載しなければならない。
2 第二百三十四条(支払督促の送達等)第一項の規定は、仮執行の宣言が記載された支払督促の当事者に対する送達及び債権者に対する送達に代わる送付について準用する。
(平一七最裁規一・一部改正)
(訴訟への移行による記録の送付・法第三百九十五条)
第二百三十七条 法第三百九十五条(督促異議の申立てによる訴訟への移行)の規定により地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、地方裁判所の裁判所書記官に対し、訴訟記録を送付しなければならない。
第八編 執行停止
(執行停止の申立ての方式・法第四百三条)
第二百三十八条 法第四百三条(執行停止の裁判)第一項に規定する申立ては、書面でしなければならない。
(平一七最裁規一・旧第二百三十九条繰上・一部改正)
第九編 雑則
(特許法第百五十条第六項の規定による嘱託に基づく証拠調べ又は証拠保全)
第二百三十九条 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百五十条(証拠調べ及び証拠保全)第六項(同法及び他の法律において準用する場合を含む。)の規定による嘱託に基づいて地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官が行う証拠調べ又は証拠保全については、この規則中証拠調べ又は証拠保全に関する規定を準用する。ただし、証拠の申出又は証拠保全の申立てに関する規定及び証人の勾引に関する規定については、この限りでない。
(平一七最裁規一・旧第二百四十条繰上)
附 則
(施行期日)
第一条 この規則(以下「新規則」という。)は、法の施行の日から施行する。
(施行の日=平成一〇年一月一日)
(旧規則の廃止)
第二条 民事訴訟規則(昭和三十一年最高裁判所規則第二号。以下「旧規則」という。)は、廃止する。
(経過措置の原則)
第三条 新規則の規定は、法の附則及びこの附則に特別の定めがある場合を除き、新規則の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、旧規則の規定により生じた効力を妨げない。
(公示送達に関する経過措置)
第四条 新規則の施行前にした申立てに係る公示送達については、新規則第四十六条(公示送達の方法)第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(判決確定証明書に関する経過措置)
第五条 新規則の施行前に言渡しがあった第一審の判決の確定についての証明書の交付については、新規則第四十八条(判決確定証明書)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(証人の陳述等の調書記載に関する経過措置)
第六条 新規則第六十八条(調書の記載に代わる録音テープ等への記録)(新規則において準用する場合を含む。)の規定は、新規則の施行前にされた証人等の陳述については、適用しない。
2 新規則の施行前にされた証人等の陳述又は検証の結果については、新規則第百七十条(証人等の陳述の調書記載の省略等)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(準備書面に関する経過措置)
第七条 新規則の施行前に提出された準備書面については、新規則第八十三条(準備書面の直送)(新規則において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(控訴、最高裁判所にする上告及び抗告に関する経過措置)
第八条 新規則第百八十二条(第一審判決の取消し事由等を記載した書面)の規定は、新規則の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴については、適用しない。
2 新規則の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件及び地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件についての最高裁判所にする上告及びその上告審の訴訟手続については、新規則第百九十二条(判例の摘示)の規定にかかわらず、なお従前の例によるものとし、新規則第百五十六条(言渡期日の通知)、第百八十八条(上告提起と上告受理申立てを一通の書面でする場合の取扱い)、第百九十九条(上告受理の申立て)及び第二百条(上告受理の決定)の規定は、適用しない。
3 新規則第二百七条(原裁判の取消し事由等を記載した書面)の規定は、新規則の施行前に告知があった決定又は命令に対する抗告(法第三百三十条(再抗告)の抗告を除く。)については、適用しない。
附 則 (平成九年七月二九日最高裁判所規則第五号)
この規則は、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成一〇年一月一日)
附 則 (平成一三年一〇月三日最高裁判所規則第八号)
この規則は、民事訴訟法の一部を改正する法律(平成十三年法律第九十六号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成一三年一二月一日)
附 則 (平成一五年一一月一二日最高裁判所規則第一九号) 抄
(施行期日)
1 この規則は、民事訴訟法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第百八号。次項において「法」という。)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成一六年四月一日)
(民事訴訟規則の一部改正に伴う経過措置)
2 この規則による改正後の民事訴訟規則の規定は、法の附則第三条第一項の規定による場合を除き、この規則の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この規則による改正前の民事訴訟規則の規定により生じた効力を妨げない。
附 則 (平成一五年一一月一二日最高裁判所規則第二三号) 抄
(施行期日)
第一条 この規則は、平成十六年一月一日から施行する。
附 則 (平成一五年一一月一二日最高裁判所規則第二四号) 抄
(施行期日)
第一条 この規則は、法の施行の日から施行する。
(施行の日=平成一六年四月一日)
附 則 (平成一六年一〇月六日最高裁判所規則第一六号)
この規則は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一七年一月一一日最高裁判所規則第一号) 抄
(施行期日)
第一条 この規則は、民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十二号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(施行の日=平成一七年四月一日)
一 第一条中民事訴訟規則目次の改正規定(「第二百三十八条」を「第二百三十七条」に改める部分、「第二百三十九条」を「第二百三十八条」に改める部分及び「第二百四十条」を「第二百三十九条」に改める部分を除く。)、同規則第一編第五章第二節の節名の改正規定、同節中第三十四条の二の前に款名を付する改正規定及び同節中第三十四条の十の次に一款を加える改正規定 裁判所法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百二十号)の施行の日(平成十七年四月一日)
(民事訴訟規則の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第一条の規定による改正後の民事訴訟規則の規定は、この規則の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、同条の規定による改正前の民事訴訟規則の規定により生じた効力を妨げない。
附 則 (平成一七年二月九日最高裁判所規則第六号)
この規則は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の施行の日(平成十七年三月七日)から施行する。
附 則 (平成一八年二月八日最高裁判所規則第二号) 抄
(施行期日)
1 この規則は、会社法(平成十七年法律第八十六号)の施行の日(次項において「施行日」という。)から施行する。
(施行の日=平成一八年五月一日)
附 則 (平成一九年一二月二七日最高裁判所規則第一七号)
この規則は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第九十五号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日から施行する。
(施行の日=平成二〇年四月一日)
附 則 (平成二〇年六月六日最高裁判所規則第八号)
この規則は、株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)の施行の日(平成二十年十月一日)から施行する。
附 則 (平成二〇年一〇月一日最高裁判所規則第一〇号)
この規則は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の施行の日(平成二十年十二月一日)から施行する。
附 則 (平成二三年九月二七日最高裁判所規則第三号)
この規則は、民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第三十六号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成二四年四月一日)
附 則 (平成二七年六月二九日最高裁判所規則第六号) 抄
(施行期日)
第一条 この規則は、平成二十八年一月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 この規則による改正後の民事訴訟規則(以下「新規則」という。)の規定は、次項及び第三項の規定による場合を除き、この規則の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この規則による改正前の民事訴訟規則の規定により生じた効力を妨げない。
2 この規則の施行前に提出された書類については、新規則第四十七条(書類の送付)第五項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
3 新規則第二百七条の二(抗告状の写しの送付等)の規定は、この規則の施行前にされた抗告(民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三百三十条(再抗告)の抗告を除く。)については、適用しない。
附 則 (令和四年一一月七日最高裁判所規則第一七号) 抄
(施行期日)
第一条 この規則は、民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和四年法律第四十八号。以下この条において「改正法」という。)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(施行の日=令和五年二月二〇日)
一 第一条中民事訴訟規則第三十二条、第七十七条、第七十八条、第九十六条及び第百六十三条第一項の改正規定、第十四条の規定、第十八条中労働審判規則第三十七条の改正規定(「第七十七条」を「第七十七条前段」に改める部分に限る。)、第二十条中非訟事件手続規則第二十一条及び第五十条の改正規定、第二十一条中家事事件手続規則第三十三条及び第百二十六条第二項の改正規定並びに第二十二条中国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第二十三条及び第五十三条第一項の改正規定 改正法附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日
(施行の日=令和五年三月一日)
二 第一条中民事訴訟規則目次の改正規定(「第三十一条」を「第三十条の二」に改める部分に限る。)及び同規則第一編第五章第一節中第三十一条の前に二条を加える改正規定、第三条の規定、第六条の規定、第七条中民事執行規則第十五条の二の改正規定、第八条中民事保全規則第六条の改正規定、第十条中民事再生規則第十一条の改正規定、第十二条中外国倒産処理手続の承認援助に関する規則第十二条の改正規定、第十三条中会社更生規則第十条の改正規定、第十六条の規定、第十七条中破産規則第十二条の改正規定並びに第二十三条の規定 改正法附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日
(施行の日=令和六年三月一日)
(調書の記載等に関する経過措置)
第二条 この規則の施行前に行われた弁論準備手続の期日の調書については、第一条の規定による改正後の民事訴訟規則第八十八条第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 この規則の施行前に行われた書面による準備手続における協議の結果の記録については、第一条の規定による改正後の民事訴訟規則第九十一条第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 (令和五年九月一九日最高裁判所規則第四号) 抄
(施行期日)
第一条 この規則は、刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和五年法律第二十八号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日から施行する。
(施行の日=令和五年一一月一五日)